るんるん組の子どもたちは虫が好きな子がたくさんいます。その中でもAくんはほかの子が虫を見つけると「Aくん!虫いるよ!」と呼ばれるほど大の虫好きで、公園や園庭など外に出ると必ずと言っていいほど虫探しをしています。
ある日園庭で遊んでいるといつものように虫を探し始めるAくん。夏はアリやダンゴムシなど自分たちで捕まえられる虫がたくさんいるのですが、最近は涼しくなってきてあまり虫も見かけなくなりました。それでも虫探しをしたいAくんは保育士にお願いして一緒に虫を探します。保育士が穴を掘ってみると何かの幼虫を見つけ、それをカップに入れて大事に観察していたAくんでしたが、ふとした拍子に幼虫を落としてしまいました。
アリやダンゴムシは躊躇なく触れるのですが、幼虫は怖かったのか素手で触ることはできず、私に「取って〜」と言いました。サッと捕まえて渡すこともできますが、「先生も虫怖くて触れないんだ〜」と言ってみたらどうするかな?と思い、そう答えてしばらく様子を見てみました。「えー」と言いながらも自分でどうにかするしかないと思ったのか、捕まえようと手を伸ばしては引っ込めを繰り返すAくん。意を決して素手で捕まえるかと思いきや、突然走り出して何かを取りに行きました。戻ってきたAくんが持っていたのはスコップでした。保育士がスコップで穴を掘って幼虫を乗せて渡してくれたのを思い出したのでしょうか?見様見真似でスコップを使って幼虫を掬い上げ、見事カップに入れることができ、「みてみて〜自分でできた!」と自信に満ち溢れたいい表情を見せてくれました。
Aくんは車も大好きです。この日はお友だちと一緒に車を走らせて遊んでいました。びゅんっと速く走らせようと車を投げたり、自分も走ったりして遊んでいたため、安全に楽しく遊べる方法はないかな?と大きなホワイトボードをテーブルに立てかけて坂を作ってみました。Aくんたちはすぐに興味を持って坂道の上から滑らせたり、下から登らせたりといろいろな遊び方をしていて楽しんでいたのですが、みんなで一斉に走らせていたためホワイトボードが重みで落ちてしまいました。子どもたちは直して〜と言わんばかりにこちらを向いてきましたが、ニコっと笑って様子を見ることにしてみました。
Aくんが持ち上げようとするも2歳児の力ではうまく上がりません。その様子を見ていたBくんやCちゃんが反対側を持って一緒に直そうとします。しかし、3辺から持ち上げてしまったのでホワイトボードはテーブルの上に着地してしまいました。子どもたちはその様子がおもしろかったようでケラケラ笑いながらそのまま遊び始めましたが、なんだかしっくりこない様子。なんか違うね?と顔を見合わせてもう一度坂になるように挑戦!試行錯誤しながらなんとか坂を作ることができました。そのあとも何度か落ちてしまいましたが、みんなで協力して上手に直すことができるようになっていました。
2歳児クラスになってから子どもたちには、“困ったときには自分から声をかけられるように“すぐに手を出すのではなく、「どうしたの?」「どうしてほしい?」などと声をかけることで、子どもたちから助けを求められるような声掛けをしてきました。今年も終わりが近づき、年が明けると幼児組に移行します。そのため、最近は“自分のことは自分でできるように“見守るようにしています。
私たち大人がやってあげたり、答えを出したりすることは簡単です。しかし、子どもたちは小さいながらも考える力や挑戦する気持ちを持っています。初めからやってごらんと野放しにしてもどうしたらいいのかわからず途方に暮れてしまうと思うので、日々の生活の中で見本をみせることで子どもたちの引き出しを増やしたり、新しい答えの導き方を見つけられるような関わりをしていきたいです。子どもたちが安心して様々なことに挑戦できるようこれからも見守っていけたらと思います。

梅原


