木月ほほえみ保育園では給食の配膳の際、普通の量(定量)にするか減らすかを子ども自身で選択することができるようになっています。これは、自分の食べられる量を知り、完食できた!という体験を積むため、そして食べ残しをできる限り減らし、食べ物を粗末にすることがないよう、食べ物への感謝の気持ちを育むためです。特に幼児組さんでは、その日の献立にどんな食材が入っているかを確認し、「今日は全部好きだから減らさない」、「ピーマンは苦手だからちょっとにする」と、自身で考えて調整している姿が毎日見られます。
さて、先日幼児組では、『食べ物の命をいただく』をテーマに、子どもたちの目の前でアジを三枚おろしにするという食育指導を行いました。海の中で泳いでいるアジの映像を見た後、目の前でアジをまるまる一尾見せ、アジの口の中はどうなっているのかな?と実際にアジの口を開けて中を見てもらったり、背びれや腹びれ、目やぜいごなどを触ってもらいました。そして、泳いでいた姿のアジがいつも食べている切り身の姿になるまで、三枚におろされていくアジの様子を見てもらいました。「すごーい…!」と興味津々で見ている子もいれば、「ちょっとかわいそう…」という声もあがっていました。
おろして切り身になったアジを再度見たり、触ってもらったりしました。取り出した骨を触って堅さを確かめたり、食べている身の部分を触って「ぷにぷにしているね」と弾力を感じたりしていました。「この食べている身の部分は魚の筋肉なんだよ」と教えると、「僕にも筋肉あるよ!」と元気のポーズをして見せてくれました。最後に、私たちは魚以外にも、肉や野菜、果物などたくさんの命をいただくことで元気に過ごせているという話をし、感謝の気持ちを持って「いただきます」をしてほしい、と言う話をしました。
おろしたアジは、あじの立田揚げとして調理されその日の給食で提供されました。食べている様子を見に行くと、「あじおいしかった!」、「減らさなかった!」、「さかな好き!」と言ってくれた子が多く、残食量も普段の魚料理の日に比べて少なかったです。食育指導を通じて食べ物のありがたみを感じ取ってくれたのかなと思いました。
アジの食育指導をしてからやや日がたったある日、また幼児組の給食の様子を見に行くと、副菜を普段減らすことが多いある女の子が「私今日サラダ減らさなかった」と教えてくれました。「すごい!頑張ってみようって思ったんだね?」と聞くと、「今日のお肉が好きだから、一緒に食べる」と言います。すると隣に座っていた子が、「私ね、嫌いなものを先に食べて、好きなものは最後に取っておいて食べるの!」と言いました。
冒頭に述べた配膳の仕方は、子どもの完食したという体験を積める一方で、苦手な子が多い食材を使った料理はボウルいっぱいに給食室に返ってきてしまうという側面もあります。そのたびに、苦手を克服するのは難しいな、どうすればもっと食べてもらえるようになるだろう?と思っていましたが、子どもたちは子どもたちなりに、好き嫌いせずに食べた方が良いということや、どうしたら苦手なものを食べられるかを考え、工夫しながら日々挑戦しているのだと気づきました。魚に限らず、他の食材に対してもそういった気持ちを持ってくれていることを知って、とても嬉しくなりました。子どもたちにもっと食べることや食べ物が好きになってもらえるよう、今後も様々な方向から子どもたちの食へのアプローチを行っていこうと思います。

石垣


