木月ほほえみ保育園のブログ「そこはっ!ほほえみっ子」

興味の芽(2歳児クラス・るんるん組)

2025.07.15

暑い暑い夏がやってきました!!

これは、ちょっと前のお話。子どもたちが大好きなお散歩のお話です。お散歩といえば、タンポポの綿毛を見つけてふーっと吹いたり、桜の木が青々とした葉っぱで生い茂っていたり。冬から春、春から夏にかけての季節の移り変わりを楽しんでいました。

中でも、子どもたちから絶大な人気を誇っているのが「虫」です。

 

公園に行っても滑り台などの遊具には目もくれず、すみっこの落ち葉ゾーンや岩の陰をのぞき込んで「いないなー?」とダンゴムシ探しに熱中しています。

雨上がりの公園にはカタツムリがいたり、てんとう虫がいたり、砂場の中から夏を待つ幼虫が出てきたり…

そんな子どもたちと過ごしていく中で、命の尊さを伝える事は私たち保育士にとってとても大切なことだと思っています。

強く握ったら動かなくなってしまう。ついつい踏みたくなってしまう。何度も木の棒でつついてしまう。「優しく触ってね」と私たちが伝えても、「優しく」ってどれくらいだろう?「しんじゃうからやめてね」と伝えても、「しんじゃうってなんだろう?」となかなかうまく伝わらないもどかしさがあります。

Aくんはダンゴムシが大好きで、見つけるたびに手に取ってまるでコレクションのように楽しんでいます。ふとAくんを見ると片手が丸まったダンゴムシでいっぱい…なんてこともあります。そしてある日、Aくんの手のひらに動かなくなってしまったダンゴムシがいました。

「動かないねぇ」と不思議そうに見つめるAくんに、「どうして動かないのかな?」と聞いてみました。すると、「ねんねしてるんじゃない?」「きゅうけいしてるのかな?」と色々な答えが返ってきました。その様子を見ていたBちゃんが「Aくんがぎゅーってしたからうごかないんじゃない?」と言いました。

Aくんはぎゅーってしたらなぜ動かなくなってしまうのか分からない様子でしたが、Bちゃんは「ぎゅーってされたらくるしいんだよ」と続けて教えてあげていました。

すると、Aくんは納得した様子で「ごめんね」と一言つぶやき、それ以降手に乗せてもぎゅっと握らないように気にかける姿が見られるようになりました。

 

「虫は触っちゃダメ!」とわたしたちが声を掛けて触らないようにすれば、虫は触っちゃいけないもの、と子どもたちも認識し触らずにいてくれるかもしれません。でも、「触ってみたい」「固いのかな?柔らかいのかな?」という子どもたちの興味や好奇心は育っていきません。

今回の一件できっとAくんはこれから虫とは優しく触れ合うし、触れ合える機会が増えたことでさらに虫への興味関心が伸びていくことと思います。

 

大人はこれまでの経験があるので「それをやるとこうなるな…」「こうしたほうが汚れないな…」を色々と知っている分つい楽な方を選んでしまいがちですが、子どもたちはまっさらな気持ちでやってみたい!と興味を持ちちます。その興味の芽を摘んでしまわないよう、ぐんぐん伸ばせるように危険なこと以外は何でも経験できるように環境を用意し、まずは「やってみたい!」を大事にしたいと思いました。

平塚

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