暖かな陽の光とともに、小さな虫やかわいらしい花草を見かける季節となりました。
4月になり、進級して心も体もお兄さん、お姉さんになってことをそれぞれ喜んで過ごしている姿が見られます。
4月にすくすく組になった1番小さいクラスだった子どもたちも、お友達や先生、園生活の流れを知り、色んな玩具に触れて、色んな所へお散歩に出かけ、毎日多くのことを感じ取り、世界を広げてきました。お友達との関わりを通して遊び方にも広がりが見られるようになってきています。今回はすくすく組さんになる直前の3月の“見立て遊びを楽しんだ時間”について書き留めたいと思います。
保育園生活が始まって丁度1年が経とうとしているよちよち組さん。パパやママから離れ、心細い気持ちや甘えたい気持ちを職員に受け止められて少しずつ保育園が楽しい場所、安心して過ごせる場所へと変化していきました。初めは不安から抱っこを求めて泣いていた子どもたちも、先生とのふれあい遊びを経て、お友達同士でのやり取りを楽しむ時間が増えてきています。
そんなよちよち組のみんなで、雨の日に室内でマット遊びをした時のことです。
平均台になる細長いマットを出し、いつも通りにジャンプしたりよじ登ったりして遊んでいたよちよち組さん。一緒に遊んでいた保育者の一人が音楽を流して遊びを盛り上げます。
歌ったりして音楽も楽しみながら過ごしていると、♬大型バスに乗ってます~♬の歌詞でお馴染みの「バスごっこ」という曲が流れてきました。よちよち組さんが職員の膝に乗り、何度もふれあい遊びを楽しんでいた曲です。いつも通りに膝の上に座るのかな?と見ていましたが…この日は違いました。Aちゃんが平均台マットをまたぐようにして座り、まるで本当にバスに揺られているかのように体を揺らして楽しみ始めました。するとその様子を見ていたBくんがまたがり、Cちゃん、Dくんも続き…。ほぼ全員がマットをバスに見立てて楽しみ始めたのです。先生の膝に乗るのではなく「今遊んでいたこのマットをバスにしよう!」と閃いたAちゃん、その様子を見て「楽しそうだな、同じようにバスに乗ろう!」と加わった周りの子どもたち。それぞれの世界が広がり重なりあって遊びにも新しい展開が見られた場面でした。
“見立て遊び”とは、子どもたちが目の前にあるものを何か他のものに見立てて想像しながら遊ぶことを言います。1歳~2歳ごろから少しずつ楽しんでいる姿が増えてくる遊び方です。
大きくなってくるとごっこ遊びへと繋がり、子ども同士で想像を膨らませ合いながら楽しむようになります。大人になった今でも、落ちていた石や葉っぱが宝物に思えたり、小さな段差を崖に見立てて遊んだ思い出がある方も多いのではないでしょうか。
見立て遊びには決まりやルールがありません。1人ひとりの頭の中で日常のさりげないものが想像力によって特別な何かへと変わり、遊びの世界を大きく広げていきます。
大人にとっては使い方が決まっていたり遊び方が決まっている玩具も子どもにとっては無限の可能性を秘めています。大人の少しの声掛け、一緒に遊び込む時間によって子どもたちは、色んな発見や驚き、気付きを得て世界を広げていくことを実感しました。1人ひとりの世界が想像によってわくわくに溢れたものになるように、大人が一緒に遊び込む時間をより大切にと過ごしていきたいと思います。

樋口


