木月ほほえみ保育園のブログ「そこはっ!ほほえみっ子」

いきを合わせて(5歳児クラス・うきうき組)

2024.02.26

年長の子どもたちは当番活動として、幼児組の昼食後、レストランのお掃除を手伝いしてくれます。全員食べ終えたら、大人がテーブルを拭いた後、椅子をテーブルの上にのせて床を掃除しやすいようにします。次に大人と一緒に床やテーブルの下、配膳台付近に食べかすやゴミがないか確認し、ゴミを見つけたら拾ってゴミ箱に入れます。おおよそ大きなゴミが取り除かれたところで、大人と一緒に濡れ雑巾で雑巾がけをします。そして、雑巾がけを終えると、その雑巾と、昼食時に使用した台布巾などを持って、1階の洗濯機に入れに行きます。最後に戻ってきたところで机から椅子を降ろして終了となります。

今回のお話は、レストランの掃除、『雑巾がけ編』となります。
雑巾がけで得られる効果は意外と大きいものです。雑巾を絞ることで巧緻性が鍛えられ、顔をあげて視線を高くし、進む方向と距離を確認することで、空間認識力、思考力に効果があり、さらに、腰を高く上げてその姿勢を保ったまま、バランスをとりながら進むことで、バランス感覚や、集中力に効果的です。また、手伝いをしてくれたことに大人がその場で感謝の気持ちを言葉で伝えることで、子どもの自尊心、自己肯定感も高まります。

この日のお当番の子ども3人。雑巾を床に置きスタンバイOKなAさん、BさんとCさんが来るのを待ちます。3人そろったところでスタートです。3人で雑巾をくっつけてスピードを合わせて一定方向に雑巾がけをしています。
お手伝いを始めたばかりの頃は、それぞれが好きな方向に好きなように雑巾がけをしていました。1、2ヶ月そのような雑巾がけが続いたのち、子どもたちに問いかけてみました。『どこが拭けていて、どこが拭けていないかな?』子どもの返答は『・・・うーん・・・』次に。『一人がまず、ここから拭いてみる?』とAさんが部屋の端から拭いてみました。すると、Bさんが『この隣を拭いたらいいんじゃない?』と『なるほど!』と私。さらに、Aさんの隣に雑巾を置いてBさんCさんが一緒に拭き始めました。この時はただ、隣を拭いているだけでした。
さらに何日か経ったあと、同じ方向で雑巾がけをしていた子どもたちに『どのようにしたら間を開けずに隙間なく拭けるかな?』と尋ねると、3人で雑巾を隣にくっつけあって、雑巾がけをし始めました。さらに、スピードも合わせて、お互いのことを考えながら拭くようになっていました。

雑巾がけスタート時は互い違いに拭いていた雑巾がけも、大人の一言をきっかけに自分たちで考え、その時に自分たちにできる最高の方法を考えていく。子どもが考え、できるようになるための一言はとても重要です。

大人が効率的な方法を伝えてしまうのではなく子ども自身が気付けるように導いてあげられるといいですね。

中平

 

 

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