木月ほほえみ保育園のブログ「そこはっ!ほほえみっ子」

苦手でも(給食編)

2022.06.10

4月のある日、カルシウムについて幼児組のみんなに食育指導を行いました。カルシウムをキャラクター化した”カルちゃん”と一緒に、カルシウムには、どのような栄養(骨や歯を強くするパワー)があるのかやどのような食べものに多く含まれるのかなどをお話しました。

また、カルシウムを摂るだけではなく、日にあたって運動することが骨や歯を強くするということも学びました。

昨年度の食育指導を覚えている子も多く、今日の食育のテーマはカルシウムだよと伝えると「カルシウムのカルちゃんだ!」「覚えているよ!」という声が多く聞こえてきました。カルシウムが多く含まれる食べものクイズでは、多くの子が手を挙げて元気に答えてくれました。

 

後日、おやつを食べている様子を見学していました。すると、ある男の子が不安そうな顔で私に近づいてきました。

「あのね、牛乳にはカルちゃんがたくさん入っているんだよね。でも、ぼく、牛乳があんまり好きじゃないんだ。」とその男の子は私に教えてくれました。

そこで初めて、食育指導で取り扱った食べてほしい食べものが苦手な子もいることに気がつきました。

「大丈夫だよ。」と私は声をかけました。「牛乳の他にもカルシウムがたくさん含まれる食べものはたくさんあるよ。例えば、お豆腐やわかめ、小さいお魚さんにもカルシウムはたくさん入っているんだよ。」と牛乳以外でもカルシウムのたくさん含まれる食べものを教えてあげました。

その男の子はほっとした顔で「お魚は好き!よかった〜!」と言いました。私も牛乳以外でカルシウムがたくさん入っている食べものをきちんと教えることができて、ほっとしました。

私の行ったカルシウムの食育指導をしっかりと覚えてくれていたことに驚きました。子どもたちに食育指導で伝えたかったメッセージがきちんと届いていたことに嬉しく思いました。さらに、食育指導の内容について、自ら話しかけてくれたことについても嬉しく思いました。

また、食育指導を覚えているだけでなく、学んだ内容から考え、自分の意見を伝えられるとは素晴らしいなと感じました。

小さい子のクラスでは、自分の考えを伝えるのが難しい様子が見受けられますが、1番大きい年齢の子たちになるとしっかりと自分の考えを伝えられるようになるのだなと感心しました。

これは、普段の園での生活によって形作られたものではないかと思いました。日常的に自分のしたいことを考えて、自分の言葉で伝える生活をしているからこそできることなのではないかと感じました。

一方で、今回の出来事は、摂ってほしい栄養素が多く含まれる食べものが、ある子にとっては苦手であることも考えなければならない機会になりました。

食育指導で取り上げた食べものが苦手な子もいることを考慮して食育をする必要があると感じました。

そのために、今後の食育指導では、様々な食べものを取り上げることや強い表現を使わないことに留意して行う必要があります。子どもが強いられていると感じることがないように、子どもの視点に寄り添った食育指導ができるように、食育指導のあり方や方法を考えていきます。

 

栄養士 太田

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