小さなもみじの物語

2017 年 11 月 25 日 土曜日

 幼児の男の子との話です。当番の時間に彼と関わることが多く、当時の彼は旅行先で乗った電車を廃材や紙で作ることに熱中していました。
 ある日、「東急線つくりたい!一緒に作ろ!」と誘われたので「いいよ!なにで作ろっか」と電車作りが始まりました。彼は白い紙と色鉛筆を持ってきて電車を描いていきます。電車を描き終えるとサイコロの様に折り始めて屋根は長さを調節した紙を貼ろうとしていました。さすがにそれではふにゃふにゃの電車になってしまうので中に何か廃材を入れて頑丈にしようと提案しました。すると彼から驚きの一言が返ってきました。
 「先生、いい考え持ってるね!」聞いた時、思わず笑みが溢れましたがこれは彼に認められた瞬間でした。
 関係を築くというのは長い歳月一緒に居たり、この様に子どもに認められることが大切になります。何気なく一緒にいるより一緒に子どもと何かを成し遂げたり、支えたりすることで築かれていきます。乳児の担任である僕は子どもが今やりたいこと、して欲しいこと、好きなことを一緒に遊び、より理想に近いものを作ることでこのように認められていきます。子どもたちのやりたいことを少しでも多く遊びの中で現実にしていければもっと楽しいことが待っていると思っています。

 

岡本 万太郎

2017 年 11 月 18 日 土曜日

 「ごめんねは?」子ども同士のトラブルの後、ついつい言ってしまいたくなる言葉。「ごめんね」って謝っておしまいにしたい。そんな大人の気持ちが表れている言葉だと思います。
 7歳の娘と、3歳の息子を持つ2児の母の私も、家ではついつい言ってしまいます。「ねねにごめんねは!?」って。でも、そのあとハッとするんです。ごめんねをしても、子どもが自分のしたことを理解していなければ言葉は言葉でしかないんだなって。必要なのは、「ごめんね」という言葉じゃなくて、子ども自身がやってしまったことを理解することなんだって。
 だんだん自己主張の出てくる1歳児クラスの子どもたち。お友だちの持っている玩具が欲しかったり、取られそうになったりしてお友だちを叩いてしまったり押してしまったり…というトラブルが多々あります。そんな時、叩いてしまった子に「ごめんねは?」と言ってしまうのは簡単です。でも、それでは子どもは理解できない。
 ある日、Aちゃんが使っていた玩具が欲しくて、Bちゃんが叩いてしまいました。「Aちゃんが使っていた玩具、欲しかったよね」とまずは、気持ちを代弁してあげる。「AちゃんBちゃんに叩かれて痛かったって。Aちゃんどんなお顔してる?」BちゃんはAちゃんの顔をじっと見ています。Aちゃんは泣いています。BちゃんはしばらくAちゃんの顔を見たあと、そっと頭を撫でていました。もちろん、この時にAちゃんのフォローも忘れてはいけません。「痛かったね。」「Bちゃん、玩具欲しかったんだって」「今Bちゃん考えてるから、待っててあげてね」etc・・・。毎回、すぐにうまくいくわけではありません。繰り返し、繰り返しその子に合った言葉で伝えていく。繰り返していくことで、だんだん理解していきます。
 幼児組のお友だちでもトラブルはあります。幼児組のCくんとDくん。CくんがDくんをつねってしまいました。「ごめんねはー!!??」Dくんは怒っています。Cくんも口をへの字に結んで、怒っています。Cくんに話を聞くと、Dくんがやっていたことが危なくて、近くにいた乳児組のお友だちに当たりそうだったから、止めたかった・・・とのこと。それを聞いてDくんは、「そっか。危なかったんだ。」と納得。「つねっちゃったのはどう?」と聞くと、Cくんは少し間を空けて「ダメだった・・・」そう言った後、「Dくん、ごめんね」と言っていました。Dくんも「危ないことした僕もいけなかったよね。ごめんね。」と謝っていました。
 子どもにはその子に合った考える時間が必要です。すぐに考えて、納得できる子どももいれば、ゆっくり時間をかけて聞くことで、自分のやったことを振り返えることが出来る子どももいます。ちょっと部屋を移動して、静かな場所で話を聞いたり、ひとつずつやったことを振り返りながら話をしたり、その子に合った対応をしてあげることが大切です。
 また、幼児組になったからすぐに出来るようになるわけではなく、乳児組の頃から積み重ねていくことで、だんだんわかっていきます。小さいから、わからない。だから「ごめんね」で終わらせよう、ではなく、小さくてもしっかり自分がしたことを理解出来るような言葉かけが大切なことだと思っています。
 ただの言葉としての「ごめんね」ではなく、やったことを振り返って心から伝えられるような関わり方を、今後も心掛けていきたいと思います。

早野 恵美

2017 年 11 月 11 日 土曜日

    子供たちが全力を出した運動会も終わり、秋を飛び越して冬のような寒さになったり、雨が続いたり、台風が来たり、なんだか落ち着かない天候が続いていますね。
    さて、今年の夏、りす組さんに新しいお友達ができました。それはカブトムシ!!最初は怖がっていた子どもたちも日が経つにつれ、カブトムシに触れるようになったり、カブトムシのエサであるゼリーを取り替えたり、元気のないカブトムシを心配したり…子ども達を成長させてくれたお友だちでした。
    8月下旬頃に土の中から卵のようなものが出てくると、子ども達は大喜び!でも、それが本当に卵なのかどうか職員は分からず、様子を見ていました。
   そして9月の中旬に最後の一匹が死んでしまい、今までカブトムシが入っていたケースが空っぽの状態になったのですが…数日後、何やら土の上にうねうねと動く白い物体が…!そう!カブトムシの幼虫が順調に育っていたのです!
「カブトムシの赤ちゃんがいるよ!」と子ども達に声を掛けると、ケースの周りに沢山の子ども達が集まり「見せて見せて!」「カブトムシの赤ちゃんなの!?」と言って子ども達は大興奮!「大きくなったら、かっこいいカブトムシさんになるんだよ」と教えると「早く見たい!」「ゼリーあげなきゃ!」と目をキラキラさせていました。
    こうなったら、来年子ども達に成虫になったカブトムシを見せてあげたいと思い、幼虫の育て方を調べ始めると、先輩職員が「幼虫はペットボトルで育てられるよ」と教えてくれました。そうなったら行動あるのみ!給食の職員からペットボトルをもらい、幼虫を育てる為の土を準備し、早速赤ちゃんの引っ越しを開始しました。
    シャベルで土を入れることを説明すると、真剣な表情で一人1杯ずつ上手に土を入れていきました。半分程土が入った所で、幼虫の登場です。素手で触ったら弱ってしまうので、虫用トングで幼虫を取り出すと子どもたちのテンションは最高潮に!「きゃー!」と叫ぶ子が沢山いました。「赤ちゃんをお家に入れるね。その次はみんなでまた土をかけてあげるよ」と言って幼虫をペットボトルに入れ、子ども達に土を入れて貰うと、あっという間に赤ちゃんのお引っ越しが完了しました。

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    2~3歳の子ども達も「生きている」や「死ぬ」という言葉は使い、生死を感じることはできます。しかし、そうだとしても、大人のように生死を理解しているわけではないと言われています。その為、りす組で飼っていたカブトムシが何匹も死んでしまっても「悲しい」という感情は生まれますが、本当に死を理解していない為、楽しそうにお墓を作るという行動をしてしまったりするわけです。(実際、楽しそうにお墓を作っている姿が見られました)
今のりす組さんのお友達には「生」や「死」を理解することはできませんが、私たち人間もカブトムシと同じ生き物であり、この世に生まれてきて、周りから愛されて育っていき、これから大人になっていくんだよ、ということ。だからこそ、自分のお父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、ご先祖様を大事に思って過ごして行こうね、と子ども達に伝えて行きたいと思います。
    来年の夏、子ども達が大好きなかっこいいカブトムシが見られると良いですね。

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田所 未帆

2017 年 11 月 6 日 月曜日

 10月8日、29年度の運動会を無事終えることができました。どのクラスの子どもたちも今までの力を十分に発揮でき素晴らしい姿をみせてくれました。そんな姿に成長を感じる保育士一同でした。
 さて、そんな幼児組では10日からみんなの楽しみにしている昼食時のお当番の仕事が成長に伴いついに、一歩前進したのです。どのように変化したのかといいますと、ぞう組はりす組に行ってりす組の配膳と寝かしつけに挑戦することになり、きりん組はぞう組が行っていた副食の配膳を担当し、きりん組がやっていたお茶当番はうさぎ組が担当するという事になるのです。お当番初日の子どもたちの様子といいますと…それぞれがワクワクドキドキの様子です!!朝からぞう組のAちゃんには「何時になったらりす組にいくの?」と聞かれ、「まだまだ!11時に準備して行けば大丈夫だよ」といった後すぐ、きりん組のBちゃんは当番ボードをみて「私がサラダやろっかな~。〇〇君にお肉やってもらって、〇〇君がお茶当番だ~」と自分の中で役割分担ができあがっている様子。お茶当番のうさぎ組のCちゃんもしっかりエプロンセットを持ってうれしそうに登園してきたのでした。昼食の準備時間になると、ぞう組のお友達はカゴに自分の持ち物を入れて、いざ出陣!「頑張ってね~」と見送る保育士に笑顔で「うん」と出かけて行ってのでした。残されたきりん組、うさぎ組のお友達はいつもより少ない人数なので「できるかな~?」「間にあうかな~?」と心配する保育士をよそに張りきってレストラン準備を始めました。子どもの成長ってすごいですね。今まで3クラス全員で8人または9人で行っていたレストラン準備を、これからはきりん組のお友達とうさぎ組のお友達の2クラス、6人または5人でやることになるのです。でも、きりん組のお友達がしっかりうさぎ組のお友達に声をかけながら、今までよりも少ない人数であることを感じさせない速さでテキパキと準備を終え、一番のお目当てだったと思われる配膳係やお茶当番の身支度を開始していた子どもたちだったのです。
 実は、例年だとぞう組のお友達が少しの間きりん組のお友達を指導してくれる時間を設けているのですが、今年度は指導の時間を設けずに実施することにしていて、そばで主食を配膳する保育士はちょっとドキドキしていました。配膳が始まる前に副食の盛り付け見本を見せて「普通量」「ちょっと量」と量の確認だけ行って隣で様子を見て開始しました。お茶当番のうさぎ組のお友達にはきりん組のお友達が指導のために横につきました。きりん組のお友達が、うさぎ組のお友達にやさしくやかんの持ち方を教える姿は微笑ましいものでした。配膳当番のお友達もびっくりするほど上手に声掛けができていました。今までぞう組のお友達に副食を配膳してもらっている姿を見て、覚えていたのですね。何のためらいもなく「普通ですか?ちょっとですか?」とご飯を取りに来たお友達に声がけることができたのでした。
  「疲れた~」という声も聞かれました。実は、配膳にかかる時間はスタートから最後の時間まで40分あるのです。一人一人に丁寧に声をかけ配膳をする集中力は成長の賜物だと思われます。「もう少しだけ頑張ってね」と励ますと、またまたやる気が回復しました。お当番を終えてご飯をおいしそうに食べている子どもたちは口々に「疲れたけど楽しかった」と言っていました。新しいお当番活動を満喫できた様子が感じられました。
 さて…りす組のお手伝いに行って帰ってきたぞう組のお友達。いつもの笑顔が見られません。「おかえり!どうだった?」と聞くと…D君「疲れた~なかなか寝ないんだもん…」ですって!ちびっこ保育士さんのような発言で思わず笑ってしまいました。その後、毎日別のグループも楽しみながら新しいお当番活動を行い、子ども達に新しい動きが定着しつつある幼児組です。

 「周囲の行動を真似るのは成長の過程」「まね」が子どもの成長において重要なもので子どもは社会的な振る舞いを周囲の真似をしながら学ぶのだそうです。周りの人たちの動作を見て真似ようとするのは、周囲を見ている・関わろうとしているということ。社会性を身につけようとする健全な成長なのです。
 木月保育園の子どもたちの世界でも友達とのかかわりや、他人へのおもいやりなど、情緒面でもかなり発達してきていることも感じられ日々成長をしている子ども達です。これから先色々な事がありますが、どのような成長を見せてくれるのか楽しみです。

 

近野 典子