木月ほほえみ保育園のブログ「そこはっ!ほほえみっ子」

遊びや生活の中での学び (2歳児クラス・るんるん組編)

2022.08.05

るんるん組では、朝おやつ、昼食、おやつの際に、自分の食べられる量はどれくらいか?考える力が育まれるように、毎回食べる量を聞きながら配膳をしています。

朝おやつの場合は、牛乳・豆乳の量を確認しています。
進級当初は、ちょっと・いっぱいという言葉と量のイメージがリンクしておらず、言葉の響きやなんとなくで答えることが多かったるんるんさん。そんな時は、牛乳を多く入れたコップと少ない量を入れたコップを2つ用意して一緒に量を確認しながら、「ちょっと」と「いっぱい」がリンクするよう言葉掛けを行いました。今では「ちょっと?いっぱい?」と聞くと牛乳が入っているコップを見なくても「ちょっとにする」「いっぱい」と、言葉のやり取りだけで減らす、増やすのやりとりができるようになってきました!
量や数については、朝おやつの時だけではなく、お部屋にポスター(大きい・小さい)を貼ったり、絵本や歌(数字の歌)など生活や遊びの中で、身の回りの数や量に興味を持ち、違いに気づくことができるよう工夫をしています。

お昼は、主食、主食、副菜、汁物、果物すべての量を食べる前に一人ずつ確認をしています。
初めのうちは、お友だちが「減らす」と言ったから自分も真似をして「減らす」と答える子もいましたが、減らすとはどういうことかの理解が進んでくると、「減らさない。全部食べる!」と自分で考えてお話してくれるようになりました。
食べられるか自信がないなぁと表情が曇っている子、でもどれを減らせばよいかわからない場合は「これ(副菜)食べられそうかな?半分に減らしてみる?美味しかったら、減らした分戻そうね」と声を掛けたりしています。
食材も理解が進み、最初の頃はおかずの緑を見るだけで「食べない」と言っていた子どもたちも、「ほうれんそう食べられるよ!」「ニンジン嫌いだから食べない」「お味噌汁の油揚げは嫌い」と食材を指定して減らす量を伝えることが出来るようになってきました。
そんなある日の事です。
おやつが終わり、午睡部屋でおままごとをしていると、Aちゃんが私の元にやってきました。
両手にはお皿を2つ持っており、一つのお皿にはたくさんのチェーンリング、もう一つのお皿には少ない量のチェーンリングが入っていました。私が座っているテーブルの前にその2つのお皿を置くと、
「減らす?減らさない?」と聞いてきたのです!!!
いつも保育士としているやりとりをAちゃんが再現したことに驚きと成長を感じ嬉しい気持ちでいっぱいになりました。ですが、Aちゃんの遊びを遮らないよう、感動を出したいところを我慢しつつ、やりとりを続行しました。
私「えーと。今日のメニューはなんですか?」 → Aちゃん「カレーです。」
私「にんじんを減らしてもらえますか?」 → Aちゃん「分かりました。にんじん減らしますね」と器用にトングを使い、にんじんに見立てたチェーンリングを取ってくれました。

そしてAちゃんの会話は続きます。「でも1つにんじん入れてあるので、それは食べてみてください」と一つチャレンジする分を残してくれる気遣いも忘れません。
「美味しかったらお代わりもあるので言ってください」とおかわりの事まで説明してくれたAちゃんでした。
普段のやりとりが遊びの中で出てくること、遊び=学びに繋がった瞬間でした。

子どもの遊びの中には、とても重要な教え(教育的に意味があること)がたくさん詰め込まれています。
子どもは自由に楽しんで遊んでいるうちに、結果として、生きていくために必要なさまざまな力を体で吸収しています。そして「遊び」は学ぼうとする力や自信、協調性を育むと言われています。

これらは、幼児に必要な「学ぶ力」の礎となっていきます。子どもたちが「分かった!出来た!やってみたい!やってみよう!」という意欲を伸ばしていけるよう、これからも子どもたちと一緒に楽しみながら育ちを見守っていきたいと思います。

山野

top