「食育」と聞くと、どんなことを思い浮かべますか?畑で野菜を育てたり、調理体験をしたり…。そんな活動を思い浮かべる方が多いかもしれません。木月保育園でも、畑での野菜の水やりや収穫、調理会、味噌作りなど、子どもたちが“食”にふれる体験を大切にしています。でも、それだけでは終わらないのが、木月保育園の食育です!実は、毎日の給食の時間そのものが、子どもたちにとっての大切な学びの場になっているのです。幼児組さんと一緒に給食を食べていると、保育士の声かけや子どもたちのやりとりから…「お椀は手を添えて持つんだよ」「おかわりに行くときは、椅子をきちんとしまってからね」そんな声かけをみかけます。そして、子どもたちは食事のマナーや周囲への気配りを、自然と身につけていきます。また、食卓は子どもたちの小さな社交の場でもあります。
おしゃべりを楽しみながらも、「きちんとよく噛んで食べようね」と伝えられることで、食事の時間がただの栄養補給ではなく、楽しく学べる時間”になっていると感じます。また、子どもたちからも、ある日の味噌汁にナスが入っていたときのこと。「ナスって、お味噌汁に入るとおいしいね!」と話す子がいました。そのそばで、ナスがちょっと苦手そうな顔をしていた子も…。「ナスが苦手だったら、汁だけでも飲んでみようね。栄養もとれるから大丈夫だよ」と声をかけました。その言葉に安心したのか、その子は汁をゴクリ。苦手な食材に挑戦する第一歩を踏み出せた瞬間だなと嬉しくなりました。子どもたちの言葉や反応に耳を傾けると、私たち大人も「食の楽しみ方」を教えてもらっている気がします。調理師の仕事は“食事を作ること”が中心ですが、保育園ではそれだけではありません。子どもたちが食べる姿や、保育士とのやりとりを通じて、「食事が子どもたちの生活や成長の一部になっていること」を強く感じます。これからも、調理師としておいしい給食を届けるだけでなく、その時間が子どもたちにとって豊かな学びの場となるよう、保育士と連携を大切にしていきたいと思います。調理師 藤井



