秋風が心地よい季節になってきましたね。そんな季節に、0.1クラスに途中入園のお友だちがやってきました。初めての環境に不安を感じて涙を流す姿は、どの子にもある自然な反応です。
そんなある日のお話です。
泣いている新入園児の顔を心配そうな表情で覗くBくん。新しいお友だちのそばに行き、Bくんが優しく頭を撫でて「だいじょうぶだよ」と伝えてくれました。また、Cくんは「泣いてるよ」と保育者に知らせに来てくれました。
そんな場面を見て、自分にできることを考え、安心させようとする姿や、大人に伝えて助けを求める姿は、子どもなりに相手を思いやり、行動へと移している大切な瞬間だと思いました。4月には同じように泣いていた子どもたちが、今では“迎える側”として小さなお友だちを支える姿に変わっていることには、大きな成長が表れています。こうした経験は、専門的には「思いやりの心(共感性)」や「仲間と関わる力(社会性)」を育てるものです。そして「自分にもできることがある」という自己効力感を高め、自信や自己肯定感にもつながっていきます。一方で、新入園児にとっても、同じ子どもからの「寄り添い」や「助け」は特別な安心になります。大人の励まし以上に、同年代の子どもからの優しさが「ここは安心できる場所」「一緒に過ごしたい場所」という気持ちを育んでいきます。
このようなやりとりは園全体にも良い影響を与えると思います。BくんやCくんのような行動が仲間に広がり、自然と「困っている子には手を差し伸べる」雰囲気が形成されていくのです。これは、保育において大切にしている「安心できる集団づくり」の基盤にもなります。そして、子どもたちが互いに関わり合う姿には、一つひとつに大きな育ちが詰まっています。頭をなでる手、大人に知らせる声、泣いている子の周りに自然とできる輪。可愛らしいだけでなく、人と関わり、思いやる力が確かに育っている証だと感じました。私たち大人は、その瞬間を見逃さず、大切に受けとめながら子どもたちの成長を支えていきたいと思います。ひよこ・あひる組 服部



