新年度が始まって早くも2か月が経とうとしています。暖かくなり始めた園庭には多くの虫が顔を出し始め、子どもたちはあちらこちらに忙しい様子がたくさん見られるようになりました。自然に触れあえる素敵な季節がまたやってきましたね。今日は過ごしやすいある日の出来事です。木月保育園の園庭にて発見した華麗な脱走劇についてお話ししたいと思います。
園庭の真ん中に砂場の玩具を集め、せっせと積み上げていたきりん組(4歳児クラス)さん。「何をしているのかな~?」と少し離れたところから観察していると見つかってしまい、「さほ先生みて!中にナメクジがいるの!お城作ってるんだよ!」と教えてくれたみんな。隙間という隙間を埋めては「逃げてないかな?」「こっちも隙間空いてる!」とたくさんの会話が飛び交いながら完成した大きなお城。達成感に満ち溢れたみんなでしたが完成した直後に「壊して中を見てみよう!」という話になり、協力して積み上げたお城はすぐにバラバラに。「あれ?」「どこ?」と顔を見合わせながらナメクジを探してみてもどこにもナメクジの姿がありませんでした。
「この中に入っていたの?」と聞くとうなずいたみんなでしたが、姿が見えず少し寂しげな様子。「みんなに見つかるのが怖くて逃げちゃったのかもしれないね~」と声を掛けると「きっとそうだ!」とすぐにお城の片付けをしてまた園庭のどこかに隠れているナメクジを探す旅に出かけたきりん組さんでした。
1日の中のほんの少しの時間の出来事でしたが、子どもたちなりに考えて模索したり、協力したり、喜んだり悲しんだりと色んな感情や思いが重なった瞬間だったなと感じました。保育指針の中にも『幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿』というものがありますが、それはすべて保育者が与えるものではなく、子どもたち自身が日々保育園で過ごす中で自然に身についていく、そんな様子が垣間見えた瞬間でした。毎日数えきれないほどの関わり合いで成長していく子どもたちの姿をこれからも見逃さずに過ごしていきたいです。
森田