木月保育園のブログ「小さなもみじの物語」

「かして~」「いいよ~」の素敵な言葉

2019.03.16

  全員が完全移行してから約1ヶ月経ち、4月から2歳児クラスになるあひる組のお友達。去年から見て、成長したと実感することが多々あります。その中から1つエピソードを紹介させていただきます。

 おままごと遊びが大好きなAちゃん。毎日と言っていいほど、りす組のお部屋にあるおままごとを使って遊んでいます。キッチンのコンロ下にある扉付きの収納スペースを冷蔵庫やオーブンに見立てて、「冷蔵庫からご飯取ってくるね~」「おいしいよ~」と手作り料理をご馳走してくれます。平のお皿の上にお椀。その中にご飯に見立てたビーズを入れ、スプーンとフォークを添えて、「ご飯どうぞ!」と目の前に持ってきてくれます。「おいしいね!ありがとう!」と保育者がいうと、嬉しい様子でニヤニヤな顔で恥ずかしそうにしていました。すると、そこにBちゃんがやってきました。保育者とAちゃんのやり取りを見ていたようで、Aちゃんが使っていたもの全部を「貸して」と言ってきました。全部は多いと思ったので保育者は「全部は多すぎるから下にあるお皿を貸してもらおうよ!」と声かけをしようとしたら、すぐAちゃんは「いいよ!」と言ってBちゃんに使っていたもの全部貸してあげました。Aちゃんに「本当にいいの?(貸してあげること)」と確認すると「うん!いいの!貸してあげる!」と快く貸してくれました。突然の出来事だったので、驚いてしまい、5秒ほど沈黙してしまいました。Aちゃんの去年だと「嫌だ!まだ使ってるの!!」と叫んでいたのにこんなにも成長したんだなと改めて実感しました。

 この物の貸し借りは、遊びの中で友達とのやりとりから育っていきます。そのやりとりでも側にいる大人がそのやり取りの両方の子どもの気持ちを受け止め、代弁をして上手に貸し借りを何度も繰り返し行い、成功体験をひていくことが大切です。

 保育所保育指針の「人間関係」を育んでいくには、「子どもが自発的・意欲的に関われるような環境を構成し、子どもの主体的な活動や相互の関わりを大切にすること。特に乳児期にふさわしい体験が得られるように、生活や遊びを通して総合的に保育すること」と記載されています。

  保育者との愛着関係から始まり、その後に自分から周りの子どもと関わりを持とうとします。また、子ども同士が関われるように玩具などの環境設定が大切になります。周りの子ども、保育者と関わることで一緒に遊ぶことの楽しさや喜び、安心感が得られます。毎日の物の貸し借りの中で保育者が肯定的な言葉、「まだ使いたいんだって」など子どもの気持ちを代弁し、気持ちの共有をお互いにしてあげることにより、相手と同じ気持ちであること、異なる気持ちであることがだんだんと理解していきます。そのような経験を通して、貸したらまた返してもらえることや、物の貸し借りをすれば子ども同士で楽しく遊べるということも覚えられ、徐々に上手になっていきます。

   保育園での保育者の声掛けはとても大切になっていきます。また、子ども同士の物の貸し借りは常日頃起こります。そこからトラブルになってしまうこともあります。Aちゃんもこの時はすぐに貸してくれましたが、本人の気持ち次第で毎日快く貸してあげることは難しいとことだと思います。少しでも貸してあげることができたらたくさん褒めることも大事です。これからも子どもの気持ちを大切にし遊ぶ楽しさを多く学んでいってほしいと思います。

                                          あひる組 河田 真帆

 

 

 

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