木月保育園のブログ「小さなもみじの物語」

「ケンカというコミュニケーション」(3.4.5歳児幼児組編)

2017.06.03

 保育園での生活は集団生活の場であるので、日々友だちと楽しそうに遊ぶ姿が見られています。しかし、毎日仲良し!いつでも一緒!といったことばかりではありません。気の合う仲間だからこそ自分をわかって貰いたくて自己主張をしたり、、意見のぶつけ合いをすることも多く見られ、時には『もう一緒に遊ばない!』とケンカをしていることもあります。しかしそこでは終わらず、すぐに『本当にそれでいいの?』『ケンカしたままじゃ嫌だから話をしよう』と解決しようとする姿を見ると、本当は相手のことが好きなんだな~と見ていて心がほっこりしますね。
 今回のブログはそんな人間関係についてのエピソードを載せたいと思います。
 幼児組は3歳4歳5歳の縦割り保育となっているので毎日69人の子どもたちが生活しています。もちろん遊びの中でケンカになってしまうこともありますが、自分の気持ちを言葉で表現したり、相手の気持ちを聞くなど、お互いが嫌いになるマイナスのケンカではなく、人との関わり方を知る大切な機会なので、園では職員が近くで話を聞き、必要に応じて関わり方を知らせるようにしています。
 ある日、一人の子どもが怪我をして登園してきました。いつも一緒に遊んでいる友だちは心配なのか、側について『大丈夫?』と声をかけていました。お昼の時間のことです。木月保育園では昼食の時、幼児組ではバイキング形式で、自分で給食を取りにいきます。どうするんだろう?と見ていると、『持ってってあげるよ』と声をかけ、自分の給食を席に置き、その友だちの給食も運んであげました。
 これは、仲良しだから、というわけではありません。じつはこの二人。前日に激しいケンカをしていたのです。しかし、仲のいい友だちのピンチに、出来ることはないかと、助けようとする姿が見られました。ケンカするほど仲がいいとはいいますが、このように相手を思いやる心は人と人との関わりの中で育っていきます。遊びを通して、ケンカをしながら互いを知っていくことで関係を作っていったからこそ思いやりの気持ちが生まれ、優しくしてあげた子は思いやりの気持ちが育ち、優しくされた子は、相手の優しさに触れ、いつか誰かにその優しさを返していくと思います。
 保育園ではたくさんの友だちがいて、楽しく遊んだり、時にはケンカをしたり、様々な経験をして人と人との関わりを学んでいきます。自分の気持ちを言葉で伝えたり、友だちのことを理解しようとすることで友だちとの関係を深め、思いやりの気持ちにも繋がっていきます。楽しい遊びの時間は勿論、ケンカをした時にも相手の気持ちを考えられるように関わっていきたいと思います。

 

鈴木辰徳

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