木月保育園のブログ「小さなもみじの物語」

『「できない」のその先へ』1歳児あひる組編

2021.11.08

自分の気持ちを少しずつ言葉で表せるようになってきて、「自分でやりたい!」の気持ちが強くなってきたあひる組の子ども達。お外に行くときは自分で靴や靴下を履こうとする姿も見られてきましたが、中には靴や靴下を差し出して「できない~」と言葉にする姿もあります。そんなある日の園庭に出ようとした時のお話です。Aちゃんは最近自分で靴と靴下を履いてみようとする姿がありました。「できなかったら教えてね」そう声をかけ、Aちゃんを見守っていましたがなかなかうまくいかない様子。困っている様子にも見えたので「Aちゃん靴下履けそうかな?」と声をかけると…。「できない…。けど!〇〇ちゃん(自分の名前)頑張るよ」という言葉が返ってきました。私はこの時、Aちゃんは「できない」の一歩先を言葉で表現する力がついてきていることに感心しました。その後Aちゃんは時間をかけながら一人で靴下と靴を履くことができにこやかな表情で園庭へ駆け出して行きました。子ども達の「できない~」には”やって”の意味が習慣的に含まれています。大人は「できるでしょ!自分でやってみてごらん」と自立を急ぐわけでもなく、「はいはいやってあげるよ」とやってあげて先回りするでもなく、実は「できない」の一歩先を感じ取り、「できない けど やってみる?」「できない から 手伝って?」「できない けど 見ていてね?」どんな気持ちなのでしょう…。

 

 

 

 

一歩先に進んでいくためにやるって決める感覚や、助けてお願いって気持ちを伝える感覚が必要なので、今その子どもがどのような気持を持っているのか感じることが大切なのです。今回のAちゃんの出来事と似ていますね。私は子ども達に「生きる力」も身につけて欲しいと願っています。人生、自分一人ではできないことがたくさんあります。「できない」にぶつかったとき、泣いて「できない~(涙)」と嘆いていても周りには伝わりません。これは自分でできるのか?助けてほしいことなのか、そういった感覚を持つこと、他人に伝えることも大切だと思います。「できない!」の一歩先へ。今日も私は心の中で、色々な「がんばれ~!」を思いながら子ども達を応援しています。あひる組 小池 達哉

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