木月保育園のブログ「小さなもみじの物語」

「かっこ悪くてもいい!!」(3.4.5歳児 幼児組編)

2019.04.01

この前、運動遊びをしました。その日は子どもたちに少し挑戦できる様な仕掛けをしてみると、そこには色んな子どもたちの心の葛藤と成長が感じられるドラマがあったのです。巧技台という組み合わせ次第ではアスレチックの様な使い方が出来る器具を使って、いつもとは違った少し”怖い”けど”面白い”設定にしたのです。余談ですが、”面白い”ものって少し”怖い”という部分があるのだと思うのです。”怖い”けど”面白い”という感じですかね。逆に全く怖くないものには面白さが少ない様な気がするのです。
さて、”怖い”とは何かというと、普段より高さを出した設定にしたのです。よいしょと登った台の上から見る景色が高く、渡っている橋から覗く地面が遠いのです。ちょっと段を高くしただけで、子どもたちは大喜び。「うわ~、高~い。怖そう!」と言いながら子どもたちの表情はわくわくしています。
いざ、子どもたちと運動遊びを始めると、体の使い方が上手な子はどんどんハシゴをわたっていき、「なんだ、簡単じゃん」と言いだしました。台から台へとハシゴを掛けていたのですが、始めは両手両足の四つん這いで渡っていました。そこで、「じゃあ、こうしてみたらどう?」立ったまま歩いて渡ってみるやり方を提案したのです。すると、途端に難易度が高くなり、またワクワクした表情で挑戦し始めました。実際にやってみると、ゆっくり一歩ずつ渡っていく子、勢いでドンドン歩をすすめる子、怖いので中腰で渡っていき途中で手をついてしまっても、もう一度ハシゴについた手を離し、中腰の姿勢に戻して進んでいく子、そのまま四つん這いになりながら進む子、様々いました。
皆が立ったまま渡ることに挑戦している中、Aちゃんは初めから四つん這いで渡っていきました。そして、渡り切ると、「出来た!」という、すごい満足そうな顔をしていました。私はこの時に、Aちゃんはなんて凄い子なんだ!と感じたのです。皆が立ったまま渡ることに挑戦している中で、”自分は四つん這いでもいいから自分の力で渡る”ことを選択して、それを自分の力で達成することができたのです。先生の手を借りて渡りたいと言う子もいて、その子に合わせて手を貸したり、手を貸さずに見守ったりしていますが、Aちゃんは自分の力を見定めた上で、自分に合わせたやり方を選択し、『やり切る』ということをして見せたのです。みんなが立ったまま手をつかずに渡ることにかっこいいと思い挑戦する中、”みんなはみんな、自分は自分”と思い自分のペースで挑戦するその子のことを認め、その子と一緒に喜んでくれる大人がいることはとてもその子にとってうれしいことなんだと思います。始めは、怖くて止まっている子に対して「早く行ってよ|」という声が上がることもありましたが、他人の力を借りてみんなと同じ様にできることよりも『自分で考えて、自分の力だけでやり切ったこと』は本当にすごいことだと思うよ、と伝えると、”その子は今、頑張って挑戦しているんだ”と待ってくれる様になったのです。
保育所保育指針の中の”幼児期の終わりまでに育って欲しい姿”の自立心”の中に、こんなことが書かれているのです。”身近な環境に主体的に関わり様々な活動を楽しむ中で、しなければならないことを自覚し、自分の力で行うために考えたり、工夫したりしながら、諦めずにやり遂げることで達成感を味わい、自信を持って行動するようになる。”
子どもが挑戦しようとしたり、何か一歩踏み出そうとする時に、大人はじっくり待ったり、背中を押してあげたいですね。色んな子どもがいる中で、子どもが挑戦しようとしたり、何か一歩踏み出そうとする時に、大人はじっくり待ったり、背中を押してあげる存在であり、その子が感じた喜びに共感し、寄り添える大人でありたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宮川 盾夫

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