木月保育園のブログ「小さなもみじの物語」

「歌をうたうということ」(3,4,5歳児幼児組編)

2017.12.02

 木月保育園の幼児ぐみでは、毎月4曲ずつ、季節の歌をうたっています。なかなか4曲の歌詞を覚えるのは大変と思う方もいるかと思いますが、毎年歌っている歌も多いので、子ども達も自然に、上の子たちの歌をきいて、覚えていきます。沢山の歌の歌詞を載せている、スクラップブックのようなものも絵本コーナーに置いているので、それを見ながら、友だちと歌遊びを楽しんでいる子もいます。
 11月の歌は、『大きな栗の木の下で』、『にんげんていいな』、『もみじ』、そして『たきび』です。
 『たきび』

垣根の 垣根の まがりかど
たき火だ たき火だ おちばたき
あたろうか あたろうよ
北風ぴいぷう 吹いている

さざんか さざんか 咲いた道
たき火だ たき火だ おちばたき
あたろうか あたろうよ
しもやけ おててが もうかゆい

こがらし こがらし さむいみち
たき火だ たき火だ おちばたき
あたろうか あたろうよ 
相談しながら 歩いてく

 懐かしさを覚えた方もたくさんいらっしゃると思います。毎年この歌を歌うと、「おちばたきってなんだろ?」「さざんかってこんな花だったのね!」と、子どもの頃に感じたことを思い出します。木月保育園では、毎年、『焼き芋パーティー』を開催しています。保育園の畑で子どもたちが収穫したさつまいもを使って、園庭での焼き芋。アルミホイルに包んだおいもを落ち葉の上に置き、またその上に沢山の落ち葉をかけて着火します。その時に、『たきび』を歌うのですが、実際に「落ち葉たき」を目の前にして歌う歌詞は、自然と子ども達の中に浸透し、創造の世界と現実の世界が一体になります。この瞬間はなんとも言えない温かい雰囲気に包まれます。
 童謡の良さは、その歌の情景を歌いながら想像でき、子どもたちの想像力を育むためにも必要なものと言われています。そして、1番のみだけではなく、2.3番とあるような童謡は、だいたい物語になっているので、覚えたら、その物語の情景が子どもたちの頭の中に浮かべながら歌うことができます。詩情を楽しみながら、歌うような情操教育はこの幼児期にとって、とても大切なことなのです。 そして、幼児期だけではなく、赤ちゃんにとっても童謡はとても大切なものです。私たち日本人は、赤ちゃんだった頃から、もしかしたらお腹の中にいた時から、沢山の童謡に触れてきました。『ちょうちょ』、『チューリップ』、『ぞうさん』、『いぬのおまわりさん』、『どんぐりころころ』、『げんこつやまのたぬきさん』、『むすんでひらいて』 ...歌は、お母さんと赤ちゃんとの大切なコミュニケーション。赤ちゃんが泣きだしたら、歌をうたってあげると泣き止むことが多いですよね。
 さあそれは、一体なぜなんでしょう。
 子守唄というのはアルファー波に近いそうなんです。アルファー波は赤ちゃんが胎児の時、お腹の中から赤ちゃんが発信する脳波の周派数は7.5~8ヘルツで、そのときの安らぎの波長なんだそうです。また、童謡は、国語の入口。音から、伝わる童謡、唱歌には美しい日本語が使われています。日本のように、その時代の一流の作詞家、作曲家によって、子どものために書かれた歌がこんなに沢山ある国は、世界でもとても珍しいそうですよ。 
 最近では、童謡に限らず、幼児向けのJ-POPのような歌(リズムがメインとなっているもの)も沢山出てきています。歌をうたうことで、心が豊かになり、気持ちを明るくさせ、コミュニケーション能力の向上にもつながります。
 童謡が持つ言葉の美しさを子どもに伝え、文化を大切にしていきながらも、様々な歌や音楽に触れ、これからも、沢山素敵な歌をうたっていきたいと思います。

 

眞弓 知子

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