木月保育園のブログ「小さなもみじの物語」

「少しの不安と責任感」(3,4,5歳児幼児組編)

2016.06.04

  4月より、今年も幼児が乳児クラスへ行き、ちびっこ先生となるお手伝い保育がはじまっています。行きたい子が話し合いをして決めたり、あみだクジをして決めたりと工夫をし決めていますが、行けると決まった子は意欲を高めて各クラスに向かい、泣いている子に声をかけたり助けてあげる姿が見られています。今回の話は今から約3か月前の子どもの一言から始まります。
『ぞう組(年長)さんがいなくなると小さい子のお手伝いが大変だな~』これは今の年長の子が年中の時に言った言葉でした。何故こんな発言があったかと言うと、毎年2月になるとぞう組(年長)は移行のため下の部屋に移動し、幼児組の部屋はきりん組(年中)が一番大きいお兄さんになるのです。この発言は『年長さんがいたら色々やってくれるのに、いなくなったら自分たちがやらなくてはいけない』といった内容ですが、年長さんが今まで小さい子や自分たちをいつも助けてくれたことをしっかりと理解していなければ出てこない言葉なのです。
 いつも助けてくれた年長さんがいなくなってしまう不安を感じながらも、自分たちがしっかりしなければいけないという、子どもの心に責任感や覚悟が見られた瞬間でした。
 そんな年中さんが年長のぞう組になり、今の様子はというと・・・乳児クラスにお手伝い保育をしに行き、トイレについていってあげたり、遊んであげたりと意欲的に小さい子のお手伝いをしています。小さい子も年の近いお兄さんお姉さんがいることで安心し、落ち着いて遊ぶ姿も見られるようになりました。
 しかし、お手伝い保育はぞう組(年長)、きりん組(年中)、うさぎ組(年少)の3クラスの子が行けることと、各クラス多くて3人しか行ないのです。お手伝い保育に行けない子や、自分の遊びがしたい子はというと・・・自分の遊びを楽しんでいます!しかし、お手伝い保育に行かないからといっても遊んでいるだけで何もしていないわけではありません。園庭で転んで泣いてる子がいると鬼ごっこを楽しんでいたグループみんなで遊びを中断し、泣いている子と手を繋いで保育士の所に連れていってあげたり、泣いている子がいると話を聞いてあげたり、時にはケンカの仲裁をしています。日々の中でお手伝い保育をしっかりとしてくれているんです。
 異年齢で生活をすることで、年上の子への憧れを持ち、自分がしてもらったことを年下の子へやってあげようとすることで、責任感や他者への思いやりの気持ちが育っていきます。
 今までの年長から、代々続いてきたお手伝いの気持ちから生まれる責任感や他者を思いやる優しさが今後も続いて行くよう子どもたちの近くで手助けして行きたいと思います。

鈴木辰徳

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