木月保育園のブログ「小さなもみじの物語」

「園庭の片隅で」幼児組編

2019.11.04

園庭に新しい遊具が完成し、先日運動会が終わった直後のお話です。

運動会の熱がまだまだ冷めない子どももたくさんいる中、三輪車置き場の横に集まるうさぎ組の子どもたち。砂場道具を持ち込み、三輪車を並べて柵で周りを囲い、なにやらとても楽しそうな姿が見られるのです。Aちゃんが周りの子に「きれいな葉っぱと石、集めてきて」とお願いすると、三輪車に乗って探しに出発していました。何人かの子が戻ってくると、「ここに隠しておけば見つからないよね」と嬉しそうに話すBくん。もちろん園庭の隅とはいえ、まったく隠れていない状況。大人からすれば丸見えです。それでも子どもたちには柵で周りを囲い、子どもたちだけの空間の中でそれぞれがその場の役になり切り、素敵な時間を過ごしているのだと感じる一場面でした。

子どもの頃に行った「お医者さんごっこ」「おままごと」「レストランごっこ」など、ごっこ遊びはたくさん存在します。考えてみると、ごっこ遊びは非常に高度な遊びです。たった3歳や4歳の子どもが大人社会の生活などを模倣して演じる。それも石や木の棒など身近にある材料を現実の道具に見立てて用いるです。ごっこ遊びは心の発達に欠かせない遊びであるとされます。ごっこ遊びを行っていく中で、他者の気持ちを推し量る能力、心を読む力などを身につけていくと言われています。例えば、お医者さんごっこをしていて、泣く真似をしている子に「痛くないですか?」と先生役の子が聞く。これは、泣いている子がどこか痛いかもと相手の心を考えます。また、「おなかが痛い」と患者役の子が言っても、本当は痛くないのに痛いと答えることができるのは、現実とごっこ遊びの空間との区別がしっかりとついている証拠なのです。

子供たち同士の遊びの中で多く見られるごっこ遊びには、色々な発達を促す要素が含まれています。今回見られたうさぎ組の子どもたちも、ごっこ遊びを繰り返していき、相手の気持ちを考えることのできるお兄さん・お姉さんに成長していってもらいたいと思います。

                                                                                                                                       蛭﨑 晶弘

 

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