園長日記

2014 年 11 月 28 日 金曜日

 先日、木月まつりが開催されました。「日本を楽しもう!」の今年度のテーマの基、さまざまなブースが作られて盛大に執り行われました。その中のブースは職員が企画したものと師親会の方々が企画したものがあり、どちらも楽しいものばかりでした。企画段階から和気あいあいと話し合い、次々とアイディアが膨らんできました。制作やわらべ歌、フォトパネルのウォークラリー、全国横断方言クイズ等どれも「遊び心」満載です。その甲斐あって「遊び心」があちこちにちりばめられたとっても素敵なブースが完成しました。
 当日は予想通りどのブースも大人気で、子ども達も大はしゃぎでした。そのような中、子ども達よりも、もっと張り切って楽しんでいる姿がありました。それはお父さんがウォークラリーの用紙を握りしめ、園内に設置されたポイントを探し回る姿です。童心に帰り、「遊び心」というよりは、真剣に遊んでいるという感じでした。そして、その時一緒に回っている子ども達の表情は、とても生き生きとした素敵な表情でした。
 仕事中にいつも、ふざけていいわけではありません。反対に常に気を張って真面目に勤めるのも悪い事ではありません。しかし、「遊び心」は一見「馬鹿みたい!」と言われるようなふとした一言からアイディアがひらめきます。と言うことは、師親会や園の職員の間の雰囲気は、「遊び心」を発揮することが出来ることや、相手の「遊び心」を受け止めることが出来る素敵な場所なのかもしれませんね。そのような時間や空間はきっと人間関係を豊かにしてくれるでしょうね。
 木月まつりの成功の裏にはこんな素敵な「遊び心」がたくさんあったのだと思いました。

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(おたよりの続き)
 47NEWSの中で、共同通信記者が、「日本の実力」ということでこんな記事を書いています。「20世紀の高度経済成長を支えた“謹厳実直”は今や昔、意外にも世界に評価されつつある日本人の「遊び心」を、ファッションとテレビの現場に探った。」
 ファッション分野について、中井陽共同通信記者が書いています。「かわいい」と言う言葉は、今や欧米、アジア、なんとロシアでも通じる国際語になっているそうです。この言葉は、小さな世界に独自の価値観を詰め込んでいとおしむ文化が理解され、単なる「幼稚」と区別されていると言います。その象徴として、ポップな日本ファッションが注目を浴びているようです。この下地には、日本製のハローキティに代表されるキャラクターや、美少女戦士セーラームーンなどのアニメ、マンガが世界で流通していることがあるのではないかと中井さんは分析します。憧れの原宿を訪れたクリスティーナ・ビスさん(18)は、「アメリカ人は大人っぽい服装をしたがるから、こういう格好をちょっと変だと言う人もいる。でも私は好き。Kawaiiという言葉は“キュート”と違ってもっとエモーショナル、感情を込めて使う。アメリカにはないものです」 と言っています。
 遊び心とは「人生を楽しむこと」「人間が人間として生きていく上で最も大切なゆとり」「制約や障害を工夫で楽しく乗り越えること」であり、この遊び心を持つには、生まれたままの自分、天真爛漫の自分に戻ることが必要だそうです。更に、「一流のものを鑑賞する」「勉強し、思索し、感動すること」「物事を新しい角度で見ること」「問題の本質を探りあてること」「当たり前、日常の中に楽しみや面白さを見出すこと」だそうです。そして、この「遊び心」と元々持った日本人としてのまじめさが合わさった結果が日本のアニメや漫画の歴史を作ってきたのかもしれませんね。日本のテレビ番組も「遊び心」満載で海外でもとても有名になっているようです。

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 海外で有名になったテレビ番組について12月15日ごろHPに載せます。

2014 年 11 月 15 日 土曜日

 ノーベル経済学賞(2000年)の受賞者、ジェームズ・ヘックマン教授の研究は、とても有名で、幼児教育の世界でも当時かなり使われました。しかし、日本では、いつの間にかそれを忘れているかのような最近の政策です。彼の研究報告では、「就学後の教育の効率性を決めるのは、就学前の教育にある。」「恵まれない家庭に育ってきた子どもたちの経済状態や生活の質を高めるには、幼少期の教育が重要である。」というものですが、アメリカでは、これを踏まえて、オバマの演説でも就学前教育の充実を公約しています。
 この研究は、幼児教育をおこなった子どもと何もしなかった子どもを追跡調査し、40歳の時点で比較したところ、高校卒業率、平均所得、生活保護受給率、逮捕者率などに差が現れたという研究で、1960年代からアメリカで実施された「ペリー就学前計画(Perry Preschool Project)」といわれる比較実験です。それが、ヘッドスタート計画の発端になったのですが、これを基にヘックマン教授が、さらに研究をしたのです。それは、少ない国家予算の中で、何を優先させることが将来その予算のかけた見返りが大きいかということの研究なのです。
 ジェームズ・ヘックマン教授らは、公共投資の観点から幼少期の教育の重要性を説いた論文を発表し、近年日本の教育関係者の間でも話題となりました。この調査では、対象となった子ども達が成長して40歳に達した最近まで定期的に調査が実施され、比較分析の結果がまとめられているのですが、就学前教育を受けた人達(以下「実験群」)は、受けなかった人達(以下「対照群」)に比べて、高校卒業資格をもつ人の割合が20%高く、5回以上の逮捕歴をもつ人の割合が19%低かったとされています。また、月収2000ドルを超える人の割合は実験群が対照群の約4倍、マイホームを購入した人の割合も約3倍であった、との結果が出ています。
 その研究から、違うことも見えてきました。それは、IQ(知能指数)を長期的に高めることに、就学前教育による特段の効果は認められない、との報告がされていることです。つまり、たとえ乳幼児期などの早い段階から教科学習を開始したとしても、長期的にIQを向上させるという面では効果が薄いということがわかったのです。では、就学前教育・幼児教育の効果が最も顕著にあらわれたのは、一体どのような分野だったのでしょうか?
 ヘックマン教授らの論文によると、就学前の教育を受けた子ども達が最も伸びたもの、それは、学習意欲をはじめ、誘惑に勝つ自制心や難解な課題にぶつかった際の粘り強さなどの「非認知能力」であった、とされています。論文では、これら非認知的な能力の方が、実際の社会生活では重要とされることが多く、信頼される人間性こそ、雇用者が最も評価する点であり、粘り強さや信頼性、首尾一貫性は、その後の成績を予測する上で最も重要な因子である、と指摘されています。
 多くの場合、社会において重要視されるのは、学力や専門性よりも、考え方が一貫している、誠意がある、信頼できるなどの人間性だと考えられます。これらのような非認知的な能力の基礎を身に付けることが、基本的な人格の形成につながっていき、より良い人間性の土台を築くことになるわけです。
 このように、就学前教育で一番重要になってくるのが、国語や算数と言った教科学習ではなく、考え方が一貫している、誠意がある、信頼できるなどの人間性を備えた「人格形成」なのです。