園長日記

2013 年 1 月 15 日 火曜日
 遠い、将来まで視野に入れて己の行動を選択する場合、他人を信頼する行動を選択するほうが理にかなっているということを、クレアモント大学のポール・ザック博士は、その選択についてこう説明しています。「私たちには、対立する二つの分子があります。テストステロンとオキシトシンです。おそらく過去20万年の間、この二つの分子は一緒に働いてきました。一緒に働き、私たちの体の中で、道徳の陰と陽の両方を私たちに与えているのです。」どうも、この二つは、私たちの心のなかにある天使のささやきと悪魔のささやきのようです。オキシトシンは私たちにこうささやきます。「この人は価値があるよ。この人と双方に利益がある関係を作り出すべきだよ」と。一方、テストステロンは、「こっちは相手を信頼しているのに、相手は返報しない。やっつけてやるべきだ」とささやきます。  ザック博士は、「状況が適切なら、私たちは協力を築き、他人を信頼することが出来ます。状況が適切なときとは、テストステロン量があまり高くないときです。このような状況でないと、私たちは初期設定の古い進化的行動に戻ります。つまり攻撃的で利己的な行動です。」つまり、自己の生存がすべてですから、相手から奪う、相手を傷つける、必要とあらば、何でもするということになるというのです。そんなテストステロンに拮抗する勢力としてオキシトシンを私たちは発達させたといいます。そのバランスのなかで人類は歴史を積み重ねてきたと博士は指摘します。  どうも、私は、適切な環境の下で育てられていないと、他人を信頼することが出来ず、利己的、攻撃的な行動をしてしまうような気がします。そして、そのような人たちは、将来を見通す力が弱く、その場だけの快楽を求めたり、その場の感情によった行動をしたり、それは、人間としての進化が遂げられていないということになるのでしょうか。  適切な環境下とは、つまり、養育者との愛着関係に始まり、多くの大人との関わりを起点とした子ども同士の関わりの中で生まれてくる信頼関係です。この関係は乳幼児期での関わりが特に重要になってきます。今の一瞬一瞬を大切にしながら、子ども達との関わりを丁寧に行いたいですね。みんなで頑張っていきましょう。
2013 年 1 月 1 日 火曜日
   この宇宙では、ビッグバンという爆発のその1秒後には、その後起こるであろうすべてが用意されていたといわれています。さまざまな偶然が重なり合ってわたしたちは、生まれてきた存在です。爆発後、次第に銀河系として別れ、太陽系としてグループを組み、そのなかの地球という一つの星の中で私たちは生活しています。しかし、そのどこかで、何かが食い違っていたら、今の様な人類を含め、すべて地球上のものは存在しなかったかもしれません。もしかしたら、地球上に今存在している何かが欠けていたら、私たちは存在していないかもしれないのです。それだけに、私たちは、自分の利益や自国の利益だけでなく、地球の未来に対して責任を持ち、自分が果たすべき役割を自覚し、行動する必要があるのです。    みなさん、明けましておめでとうございます。新年早々難しい話で始まりましたが、今年1年、子ども達がみんなと仲良く、協力して、楽しい園生活をおくってもらいたいと思っています。どうか、保護者の皆様にもご理解いただき、共に子ども達の成長を見守っていけたらと思っています。今年もよろしくお願いします。 (おたよりの続き)    オレゴン大学のアジム・シャリフ博士は、人類の進化について、こんなことを言っています。「人類の進化のすばらしい点は、同じ人類という種全体のなかで向社会的行動(自ら社会的行動をする性質)、協力的行動を発達させたことです。協力を発展させた動物を見ると、その動物は急成長して成功をつかんでいます。労働を分担することをはじめたハチやアリは、ある固体があることをすれば、別の固体はほかのことをします。彼らは大きな集団を代表してやるべきことを行ない、互いに信頼しています。それらの動物が進化的にもっとも成功してきたのです。」この言葉は、チームワークへの示唆を与えてくれます。集団のすばらしさは、みんなで力を合わせて同じことに取り組むのではなく、「ある固体があることをすれば、別の固体はほかのことをします」ということなのです。さらに、博士はこう続けます。     「人間に存在している向社会性のレベルに匹敵する生物はほかにはありません。私たちを互いに協力的にする方法を次々と見つけ出してきたことがおそらく、人間が達成した最も重要な業績でしょう。協力の進化こそ、現在に至るまで私たちを増加させ、繁栄させてきたのです。それは私たちが誇りにするべきものです。」     これらの力は、私たちのさまざまな能力に影響しているようです。たとえば、人間は、見知らない人を信頼しようとすることがあります。それは、「見通すことの出来る将来の期間」という「先を読む力」に関係していると考えられています。人間以外の動物は、計画対象期間は非常に短いものだそうです。動物は将来に対する理解が非常に狭いのに対して人間の私たちは、長い計画対象期間があります。その違いが、他人への信頼の違いにつながっているそうです。よく言われることに、チンパンジーの中でも特に知能が優れているといわれているボルボでさえ、せいぜい先を読めるのは1週間が限度だといわれています。年長さんが、卒園するときに「将来、何々になりたい」というような将来について考えられるのは人間だけだそうです。    もうすぐぞう組さんが卒園してしまいます。卒園式や小学校の話をして、見通しを立てながら、みんなで最後まで協力していきたいですね。

天使と悪魔のささやきについて1月15日ごろ載せます