木月保育園のブログ「小さなもみじの物語」

「手が表す言葉の意味」0歳児ひよこ組編

2021.07.19

入園して早3ヶ月が経ち、初めは泣き声が響き渡っていた保育室も今では可愛い笑い声や喃語が響き渡るようになりました。この短い期間の中でも、日々沢山の成長を見せてくれるひよこ組の子どもたち。その成長の早さに驚きや喜びを感じるとともに少し寂しさも感じる今日この頃です。さて今日は、そんなひよこ組の子どもたちの中で最近よく見られるようになってきた指さしについてお話ししたいと思います。例えば、絵本好きのA君。読み聞かせ用の絵本の中にお気に入りの絵本があるA君は、よく読み聞かせ用の絵本が置いてあるところを指さし、「んー!」や「あぁ〜!」と喃語を発しながら取って!読んで!とアピールBちゃん。今までは食べ物が口の前にくると口を開けていましたが、最近は自分の思い通りのものでないと首を横に振り、自分の欲しいものを指さしで教えてくれるようになりました。例に挙げた2人に共通する指差し、これは『要求の指さし』と呼ばれ自我が芽生え始め、「これが食べたい」「あっちに行きたい」「あれで遊びたい」などと物や方向を指し示すようになります。

 

 

 

 

実は、指さしは赤ちゃんの成長とともに内容や意味合いが4段階に進化していくものなのです。

まずはじめに、見つけた物、興味がある物を指差すようになる『自発の指さし』。次に、先程あげた『要求の指さし』。次に、見つけたものを人と共有しようとする『共感の指さし』。そして最後に、質問に対して指し示して答える『応答の指さし』。意味のある言葉を話し始める前段階のサイン「指さし」にも、ちゃんと意味や段階があるんです。発達には個人差があるので、赤ちゃんによっては4つの順番が入れ替わって表出する場合もあるそうです。指さしは、言葉を話せるよう になる準備段階の、心の中の言葉。子どもが誰かに伝えたいと指さしをしても、周りの大人が、それに気づかなかったとしたら、子どもはそのうち、指さしで訴えるのをあきらめてしまうかもしれません。私たち大人は子どもの指さすものを一緒に見て、その発見に共感し言葉を返してあげることで、気持ちも満たされると同時に、認識も育っていくのです。これからも一つひとつの指さしを丁寧に受け止め返していってあげたいと思います。

ひよこ組 根岸 佑美

 

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