木月保育園のブログ「小さなもみじの物語」

「お兄さんだもん!」幼児組編

2020.03.02

まだまだ寒い日が続く中、ぽかぽかと暖かく春を感じさせる日も少しずつ増えてきた今日この頃。木月保育園は移行が終わり、来年度に向けた新しい環境の中で、1つ大きくなることを楽しみに待ちわびながらこども達は毎日を楽しく過ごしています。

今回は移行期間を終え、お兄さんになることを意識し始めたうさぎ組の男の子達のエピソードをお話したいと思います。幼児組は1番年上のぞう組が就学準備で1つのクラスとして過ごすため、2歳児クラスのりす組が幼児組になり、来年度に向けてきりん組、うさぎ組、りす組の3クラスで過ごしています。中でもうさぎ組は今までは幼児組で1番小さなお友達としてお兄さん、お姉さんに沢山助けてもらったり優しくしてもらってきました。しかし、いきなり自分より小さなお友達がやってきたことに最初は慣れない様子で戸惑いをみせていましたが、思ったより早くうさぎ組の女の子は、りす組のお友達に幼児組での過ごし方を教えてあげたり、片付けを手伝ってあげお姉さんぶりを発揮しだしたのです。”頼もしいな~”という気持ちで見ていました。一方で男の子は”小さいとか関係ない”と言わんばかりに物の取り合いや言い合いで泣くこともしばしば。いきなりお兄さんになるのは難しく、りす組のお友達と揉めたり怒ったりする日々が続きました。

しかしある日のこと、うさぎ組のA君が電車のおもちゃの近くで泣いていたのです。「どうしたの?」と聞くと「でんしゃつかいたかったけどりすくみさんにかわってあげたの~」と答えながらも泣き続けているA君。うさぎ組のB君C君がそばで遊んでいたので「A君なんで泣いているのか知ってる?」と聞いてみました。すると、「りすくみさんにでんしゃかしてっていわれてAくんかしてあげていたよ」とA君が言っていたことと同じことを教えてくれたのです。時間が少したって泣き止むA君にもう一度聞いてみると「りすくみさんがかしてっていうからかしてあげたんだけどまだつかいたかったの…」と本当の気持ちを話してくれました。A君は自分より小さいお友達に貸してと言われたから貸してあげよう!でもまだ使いたい!!という気持ちの葛藤から泣いていたのです。しかし、それは紛れもなく彼の1つの大きくなる成長の一歩となりました。「A君とっても優しかったね!りす組さんとっても嬉しそうだよ。A君すごい!お兄さんみたいだね~」と言うと「おにいさんだもん!!」と少し得意げに答えたA君。そのあと電車がなくて遊べず悲しそうにしていることに気付いたB君とC君。「A君一緒にこれで遊ぼう~」と数少ない電車を分け合い遊び始めた3人でした。

これは、自分より小さい子に優しくする姿と仲間を大切に思う姿の2つの姿が見られた瞬間でした。自分の気持ちに折り合いをつけながら、子ども達は自分達で”思いやり”と言う名の”社会性”を育て大きくなっていくのだと改めて感じました。また、うさぎ組の男の子は同じクラスのお友達と仲間意識を持って遊ぶ姿が見られるようになり、お互いの良さを認め常に一緒に過ごすことが多くなった半面、ぶつかり合うことも増え自分の思い道りにいかないことのもどかしさを感じる時期になってきました。まだまだ葛藤の日々が続くとは思いますが、そんな経験を重ねながら一歩ずつ成長する姿を見せてくれることでしょう。4月から1つ大きくなる期待と喜びを胸に秘めた子ども達の成長をこれからも見守っていきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

幼児組 佐々木 舞

 

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