木月保育園のブログ「小さなもみじの物語」

「ちいさな先生たち」(0歳児ひよこ組編)

2019.03.23

 「しゅわってくーだーさいっ!」ある日の自由時間のこと、Aちゃんは声を掛けながら手に持っていたお人形を壁沿いに座らせました。自分も横に座り、何をしているのかな?と様子を見ていると、Aちゃんは、おはなしぱちぱちの手遊びをして、お人形に絵本を読んであげていたのです。まだまだ明瞭な言葉を話す事は難しい時期。Mちゃんなりの手遊びや、知っている動物をジェスチャーつきで読む姿はとっても可愛らしくて少しお姉さんに見えました。

 またある日のこと。遊びながら朝の歌を口ずさんでいたBちゃん。「ちぇんちぇーおはよっ、みなしゃんおはよっ」朝の歌を歌い終わると、次は出欠の確認。近くにいるお友達の名前を呼んで、わざわざお友達の手を挙げに行きます。そして、「Cくんは~、おやすみでーしゅ!」と元気に言い切るBちゃん。その日欠席の子はいませんでしたが、大好きなCくんはなぜかお休みの設定。ちっちゃなBちゃん先生の朝の会に、ほっこり、そしてクスッと笑わせてもらいました。

 最近このようなほっこりする場面を多く目にしたり、耳にしたりするようになりました。もともと真似っこが大好きなひよこぐみさん。保護者や保育士、そしてお兄さんお姉さんの真似っこをして、一年間で沢山のことを覚え、その成長にはいつも驚かされます。 

 子どもたちの模倣は、目の前の手本をすぐ「模倣」して、新しい行動を学習して身につけていく(直接模倣)から、目の前に手本がなくても、一度見たり、聞いたりした経験を、イメージとして、頭の中に入れ、しばらく時間を置いた後で、一人でそれを再現してみる(延滞模倣)という行動に変化してきました。この延滞模倣は、『「表象」へと発達する条件であり、思考活動の前提条件でもある。』と言われています。つまり、使っている場面は見えなくても、ブラシを見ただけで、その使い方が、理解できるようになる、などの、「物の意味」や「用途の理解」へと、結びついていくことやある状況を「判断」したり、次の行動を「予測」することが、できるようになると言われているのです。

 今後子どもたちの遊びは、「象徴遊び」や「ごっこ遊び」に展開していきます。進級と言う名の階段を一段上がった先でどのような姿を見せてくれるのか、今から楽しみです。そして保育士として、言葉を引き出す遊びの環境・雰囲気作りをしていきたいと思います。

根岸写真

 

 

 

                          ひよこ組  根岸 佑実

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