木月保育園のブログ「小さなもみじの物語」

 「夢の箱」(3,4,5歳児幼児組編)

2018.06.30

 3,4、5歳児のいる幼児組では、いつも子どもたちが自由に使える、お菓子やティシュボックスなどの空き箱、トイレットペーパーの芯など、いわゆる廃材を常備しています。箱を廃材BOXに入れた途端に、群がる子どもたち。お目当ての箱をゲットすべき、ちょっとしたケンカが起こることもしばしば...。
 さてさて、そのもらわれていった箱たちはこれから何に変身するのでしょう。ジーっと子どもたちを観察していると、保育士に名前を書いてもらって、すぐに製作に取り掛かる子、友だちにどんな箱を手に入れたのか自慢しに行く子、大切そうに自分のお道具箱へしまう子など様子は様々です。
 昨年度まで廃材を使ったことのなかった3歳児が、一番最初にすることは、箱集め。真新しいものを探しては、箱の争奪戦に参加しています。気づけば、自分のロッカーが箱だらけ、なんてこともしばしば...
 その次のステップとしてすることは、箱を何かに見立て始めます。私たちから見たら、なーにも変身していないただの空き箱ですが、、、「電車!プレゼントの箱!車!」などなどそれぞれ、イメージを持って箱と関わっています。
 さぁ、お次は、セロハンテープを使って箱を繋げ始めます。ロボットや、電車、車、さきほどの箱の見立てとさほど変わりはないのですが、、出来上がってくるものに変化が表れ始めます。本物にすこーしずつ、すこーしずつですが、近づき始めるのです。窓をつけたり、ライトをつけたり、細かな部分にも気づけるようになったら、一人前。空き箱を自分の身近にある好きなものに見立てて遊ぶという、技を覚えていくのです。
 廃材遊びの最大のメリットは、子どもの世界観や可能性をどんどん高めていけること。アイディア次第でいろいろな遊びに発展することができるので、子どもならではの独創性やイメージを繰り広げることができます。最初は、子どもたちの作品を見て、「何これ?」と思ったこともあるとは思いますが、次第に完成度の高い作品を作れるようになっていくので、作品を見て子どもの成長を実感することも出来ます。私たちが、保育に廃材を取り入れている理由は、身近なものと関連しながら、想像することの楽しさ、それを形にする楽しさを味わって欲しいという願いからです。
 大人から見たら、ただの空き箱かもしれませんが、この箱には子どもたちの夢が詰まっています。子どもたちと一緒にこれからも、いろんなものを作っていきたいと思います。

眞弓 知子

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