木月保育園のブログ「小さなもみじの物語」

『魔法の言葉「かーちーてー」』(0歳児ひよこ組編)

2017.12.23

 寒さも少しずつ厳しくなり、本格的な冬の訪れを感じられる頃となりました。先日行われた生活発表会では、運動会とはまた違った子ども達の成長した姿を見て心が暖まったのではないでしょうか。子どものこれからの成長が益々楽しみになりますね。
 先日、ひよこ組の部屋で絵本を持っていたBちゃんに対し、Aちゃんが近くへ行き「かーちーてー(貸して)」とお願いをしていました。するとBちゃんはAちゃんの貸して欲しいと言う気持ちが分かったのか、持っていた絵本を渡してあげるということがありました。この時期になってくると、少しずつ言葉が出始め、自分の気持ちを言葉で伝えるようになっていきます。しかし、それだけではありません。時には「かーちーてー(貸して)」の言葉と同時に持っていってしまったり、借りたい気持ちともっと使いたい気持ちがぶつかり、ケンカになってしまうこともあります。この「かーちーてー(貸して)」と言う魔法の言葉は、一方的になってしまうと当たり前ですが成立はしませんね。
 今の時期は喃語から始まり、模倣するようになることで言葉の獲得をしていきます。周りの人が発している言葉を少しずつ覚え、それがどの様なものなのか、どの様な時にその言葉を使うのかを理解するようになり、言葉でのコミュニケーションが取れるようになっていきます。この時期はまだ、相手には理解してもらえないこともありますが、相手の子も少しずつ理解し、簡単なやりとりが成立していきます。このようなやりとりを大事にしていくことで、コミュニケーション能力も上がり、自分の気持ちだけでなく、相手の気持ちも理解できるようになっていきます。
 集団生活の中では、自分の思いが上手く伝わらないことがたくさんあります。大人が間に入りお互いの気持ちを代弁してあげ、物の貸し借りに限らず自分の気持ちの伝え方や相手の気持ちを理解しようとする気持ちを育てていきたいと思います。

 

鈴木 翠

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