木月保育園のブログ「小さなもみじの物語」

「栄養満点 木月農場直送野菜」(2歳児りす組編)

2017.08.12

 年度のはじめ、クラスの担任で話し合い、野菜が苦手な子が多くいるため、もっと野菜に興味を持って親しみを持ってもらいたいと思い、りす組ではトマトを植え育てています。それを機に当番活動に水やりが入り、りす組の子どもたちは園庭の畑の様子に常に関心を示し、気にしていました。
 りす組の子たちはよく「トマトが赤くなってきてる~」と気が付いて教えてくれます。その都度、はさみを持ってきて子どもたちと一緒に野菜を収穫し、複雑な枝の間からはさみを入れ、傷つけず地面に落とさないように上手に切らせています。子どもたちはキラキラ好奇心に満ちた瞳で野菜を探し、集中して上手に切ります。手に乗っかる野菜の重みを感じ、自分が収穫した野菜を他の子どもたちや、先生に見せて喜びを一緒に分かち合っています。
 野菜を収穫するようになってから、モリモリ…とまではいかないまでも野菜を少しずつ食べるようになってきました。子どもたちが収穫して貯めておいた野菜が給食のメニューの中に取り入れて出てきた時なども、今までは手を付けずにモジモジしながら結局眠くなってウトウトしてしまうということがあったのですが、「見てみて!ピカピカなったよ~!」といって綺麗になった器を見せてくれる機会が増えてきました。保育園でとれた野菜以外にも挑戦する様にもなってきていて、先日も食わず嫌いでインゲンを食べずウトウトしかけていたAくんに、保育士が「このお野菜の味まだわからないでしょ?食べてみたらおいしいかもしれないよ?」というお話をすると「…うん」と言って今まで頑なに開けなかった口を開けてくれて一口だけ食べてくれました。その後はすぐにごちそうさまをしていたのですが、一口でも食べられたということが嬉しかったのか、Aくんは少し得意そうな顔をしていました。
 木月保育園ではこうした野菜作りを通して命の尊さや食べ物の大切さを含めた食育をしています。
 りす組ではまだ食べ物の大切さなどの話をしたとしても、何のことかもわからないかもしれません。野菜を育てる経験が、命の大切さ・食への感謝に直接つながらないかもしれません。それでもAくんやりす組のお友だちが経験したことや、これまでの過程をみて、子どもたちの野菜や食事への興味を引き出すことは出来ていると私は実感しています。これは食育の確かな一歩目を踏み出していて、食べ物への感謝、大切さを噛みしめるきっかけになったのではないかと思いました。その一歩を少しずつ積み重ねていき、食べ物への感謝や 命の尊さを知っていってほしいと思います。
 そして、食育を通して子どもたちには丈夫な体、食を通して豊かな心が育っていってほしいと願っています。

 

一柳 翔平 

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