木月保育園のブログ「小さなもみじの物語」

『扉の隙間から覗く影』(3,4,5歳児幼児組編)

2016.10.01

 夏の暑さも少しずつ和らいできましたが、まだまだ日中は暑い日が続いています。今年の幼児組は、沢山遊んで、沢山食べて、沢山寝て毎日楽しそうに夏を乗り越えていました。
 これは暑い夏の日の話です。この日は特に陽射しが強く、日中、プールに入り身体を動かして遊んでいた子どもたちはご飯を食べると、すぐにホールへ行き寝ていました。夏の疲れもあるのか、ぐっすりと寝ている子が多く、起きる時間になったのですが、声をかけても電気をつけても起きれない様子の子がいました。すると、ホールの扉に一つの影があり、こちらを覗いているのです。お、おばけ(゜ロ゜;もちろん、そんなはずはなく、年長の女の子でした!普段から、小さい子の手伝いを好んでいるその女の子は電気がつくとすぐに年下の子の近くへと行き、優しく声をかけたり、着替えの手伝いをしていました。その近くで寝ていた子たちも『これやって~』『これも~』といつの間にか、みんなのお手伝いを楽しそうにしていると、その後ろでじぃ~っとその様子を見ている女の子たちがいました。
 次の日、子どもたちが起きる時間になったので電気をつけようとした時、ふとホールの扉を見ると・・・。か、影が増えてる!?(゜ロ゜;それも沢山!!そうです。昨日のお手伝いを見ていた子が興味を持ち、普段は早く起きれない子も、まだかまだかと首を長くし隣からホールを覗いていたのです。一つにまとまって動くのではなく、『あっちの手伝い行ってくる!』や、『あそこ大丈夫かな?』と子どもたちの方から協力しようという言葉も出てきていました。また、女の子の着替えの手伝いだけではなく、男の子たちは『レストランのお手伝いします』と、自分のことを終わらせて、テーブル拭きや、花やティッシュを並べて用意をしたりと、色々なお手伝いを分担している姿も見られています。今では、年長だけでなく、年中、年少のクラスの子たちもお手伝いをするお兄さんお姉さんを見て興味を持ち、意欲的に手伝いをする姿も見られるようになってきました。
 少し先の話にはなりますが、来年の今頃には今の年中さんがみんなの見本になり、その次の年は今の年少さんが見本になり、今の年長さんが年上のお兄さんお姉さんから受け継いできた『自分の為だけでなく、誰かの為にお手伝いをする』という思いやりや優しさがこれからも続いていくのが楽しみですね☆

 

鈴木 辰徳

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