木月保育園のブログ「小さなもみじの物語」

「その子に合った大きさの」(フリー編)

2016.06.25

 お出掛けが大好きな子どもたち。「今日はお散歩に行くよ~」という保育士の声掛けに、ニンマリと嬉しそうな子どもたち。私はフリーで色んなクラスの様々な年の子どもたちを見ていますが、どの子もお出掛けは好きなんですね。近くの公園だったり、少し遠くの大きい公園だったり、色んなところに歩いて行きます。園の中で過ごす時でも、園庭で遊ぶ時間は楽しいひと時。思いっきり走り周り、体全部を動かしています。
 ある時、すってんころりんと転ぶ子が。なんにもない平らなところで転ぶ1歳児のAちゃん。近寄ってみると、靴が脱げていました。靴を履き再び歩き出すAちゃん。
 でも、Aちゃんの様子を見ていると、なんか変だなぁ・・・と。歩き方が悪い訳ではないようです。あっ、そうか。靴が大きいのか。Aちゃんの靴のサイズが1.5cmくらい大きかったのです。
 またある時、お散歩の最中の幼児組のB君。みんなで歩いていると、突然、立ち止まりました。どうしたのかなぁーと見てみると靴が脱げていました。すぐにスポッと足を靴の中に入れたかと思うと、また、しばらくすると脱げていました。これまた大きめの靴でした。すぐに履ける靴はすぐに脱げてしまうのですよね。
 ”子どもはすぐ大きくなるから、大きめのものを用意しよう”どうしても、この時期の子どもの成長が早く、あっという間に洋服も着れなくなってしまうことがよくありますよね。しかし、それは今のその子にとっては、とても辛い時があります。歩きやすい靴を履いていたら、きっとこの子はこんなに転ばず歩きづらい思いをすることはないと思います。
 この時期の子どもにとって、その子に合った靴を用意するのはとても大切なことです。乳児期は、頭が体のバランスの中で大きく、重いのです。そして、体に比べて、足が小さいのです。すなわち、頭が重く、足が小さいので転びやすいということです。体がアンバランスな時期に、もともとヨチヨチと歩きづらいのに、靴のサイズが合わずに歩きづらいのでは、本当に歩くことが大変になってしまいます。幼児期では、足の形を作っていく大切な時期です。
 つま先でしっかり踏ん張り走ること、足の裏全部を使って、ブレーキをかけること、すごく大事なことです。そんな時に、靴の中で足が動いてしまったり、ズレてしまうことがあったりしたら、思い通りに体を動かせません。
 足の成長はすごく大切です。年をとってからも、足腰がしっかりして、歩ける人は、元気に長生きしているものです。育ち盛りで遊びの中でいっぱい歩いて、走っている今の時期、その子に合ったサイズのものを用意してあげたいものだなと思います。

宮川 盾夫

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