木月保育園のブログ「小さなもみじの物語」

花の気持ち(2歳児 りす組編)

2016.06.11

 季節は春から夏に変わりつつあり、りす組の子ども達は汗をかきながらも楽しく園庭を駆け回ったり、お散歩を楽しんだりしています。
 そんな毎日遊んでいる園庭での出来事です。Aくんは「見て!見て!お花!」と私の手を引いて園庭の片隅に咲いている花のそばまで連れてきてくれました。「うわぁ!とってもキレイだね」と言っていると、Aくんはその花を摘もうと手を伸ばしました。すると、すぐそばにいたBちゃんが「だめだよ。お花だって痛い痛いだよ」と言って止め、AくんはBちゃんの発言に納得し、花を摘むことをやめました。私はBちゃんの発言に驚き、またAくんがBちゃんの発言に納得して手を止めたことにも驚きました。植物も痛みを感じるひとつの命である。二人共そんな優しい気持ちを持っているということを知りとても嬉しく思い、「そうだね。お花だって痛い痛いって思うよね」と言って思わず抱き締めました。もちろん花を摘むことは悪いことではありません。部屋に飾ったり、誰かにプレゼントしたり、それもとても素敵なことです。でも、植物も痛みを感じるのかもしれないという考えもとても素敵なことです。
「手のひらを太陽に」という歌をご存じでしょうか?子ども達が大好きなアンパンマンの作者であるやなせたかしさんがこんな歌詞をつけています。『ミミズだって オケラだって あめんぼだって みんな みんな生きているんだ 友達なんだ』(1番)
 私たち保育士がこれから子ども達に教えなければいけない大事なことのひとつがこの「命の尊さ」です。植物も、動物も、人間もみんな命があって、生きていて、痛みを感じる。そう思えば、誰にでも優しく接することができ、お友達とも上手く付き合っていけます。命について教えたり考えたりことは、少しりす組さんには早いようにも感じるかもしれませんが、Aくん、Bちゃんはすでに花の気持ちがわかっています。少しずつ子ども達が上手く飲み込めるように「命の尊さ」を教えていければ良いなと思います。

 

田所未帆

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