木月保育園のブログ「小さなもみじの物語」

「顔が書けた!!」(フリー編)

2016.05.24

 今回は、りす組の子ども達の様子を書かせていただこうと思います。木月保育園では自分のものがある程度分かるようになってくる、2歳児クラスになるとお道具箱が用意され、自分のお道具箱にクラス帽子、自由帳、クレヨンを入れるようになります。あひる組として生活していた頃は、自分の自由帳もクレヨンも持っていなかった子ども達でしたが、自由帳と、クレヨンが自分専用のものになり、大喜びの様子でした。
 そして、1ヶ月が経ち久しぶりにりす組に入ってみると、子ども達の様子には驚きました。ブロックやおままごとに比べると、テーブルに向かってお絵かきに夢中になっている子どもの人数のほうが多かったのです。ふと目に入ったAちゃんの自由帳にはカラフルな色が塗られていました。「何を描いているの?」と尋ねるとAちゃんは「アンパンマンだよ~」と教えてくれました。「上手に描けたね」といわれてにっこり微笑むAちゃんでした。B君は自由帳を持って私のところに嬉しそうにやってきて、「○○先生描いたよ!」と私のことを描いてくれたことを報告しながら見せに来てくれました。その絵を見てビックリ!丸から線がでていて、手や足に見立てて描く、いわゆる頭足人が描けるようになっていて、顔に見立てている丸の部分には髪の毛と思われる、もじゃもじゃもついていました。「上手に描けたね~」とほめると、B君もにっこり嬉しそうでした。そしてまたテーブルに向かってお絵かきを始めていました。
 なぐり描きが始まる時期は、1才ごろと書いてある本もあれば、1才半と書いてあるものもあり、2才というものもあります。はじめは紙にたたきつけるような点々のなぐり描きから、しだいに細かい動きがコントロールできるようになってくると、なぐり描きも、大きな弧から、しだいに小さな弧を描くようになり、ぐるぐると渦巻き状のなぐり描きへと変化してきます。しばらくすると、書いたものに名前をつけはじめます。「見立て」とか「名付け」とよばれるこの行動は、あるものを別のもので象徴するという、重要な心の働きが芽ばえたことを示しています。Aちゃんが絵に名付けた「アンパンマン」がまさしく、この頃なのだと思われます。その後、手のコントロールが進んでくると、閉じた丸が描けるようになります。この丸に目鼻がつけば顔、放射状に線がつけば太陽、そのままでも名前さえつければ何にでもなる、丸の形は大変便利な部品です。子どもの絵はこの丸をベースに発展していきます。丸が描けるようになると、まもなくその中に目・鼻・口を描いて顔になります。顔に足がつけば頭足人になります。
 Aちゃんも、B君も、今、新しい自由帳とクレヨンに夢中になって自分の描きたいものを描き、成長し続けているのだと思います。B君の絵にはまだ、目や鼻、口はついていませんでしたが、少し時間がたった今、Aちゃんの絵にもB君の絵にもきっと変化が現れているのだろうな~と思います。今度、りす組入ることができたら、また見てみようと思っています。                           

近野 典子

 

IMG_6781

 

 

 

 

 

 

IMG_6783

top