木月保育園のブログ「小さなもみじの物語」

「炎のチャレンジャー ~ヤーレバ・デ・キールの魔法~」(3・4・5歳児 幼児組編)

2015.07.04

 ムシムシと蒸し暑い季節がやってきました。子どもたちは暑さにも負けずに園庭を鬼ごっこやドロケイをして走り回ったりダンゴムシ集めや綺麗などろ団子作りに精を出しています。
 そんな中、先日とてもうれしい事がありました。ある給食での場面です。その日の給食は洋食でトレーにはデザートのヨーグルト、パンやスープ、サラダ、おかずを器に盛ってもらい皆でおいしく食べていました。その中でヨーグルトのふたをなかなか開けられない男の子のAくんが居ました。普段のAくんはヨーグルトのふたを少し触っただけで「うわーん!」と突然泣き出し「ヨーグルトが開けられない!!」と訴えていました。しかし、すこし触っただけでは開かないのは当然です。「もう少し挑戦してみたら?」と声をかけ何度か挑戦したのちに、少し開けてあげたりして対応していました。
 しかし、その日のAくんはいつもと違っていました。配膳のところで子どもたちにスープを盛りつけていた私にAくんは「しょうせんせーい、自分でヨーグルト開けられた!!」と教えてくれました。Aくんの泣き声は聞こえず、さらに、まわりに先生はいませんでした。手伝ってくれた痕跡は見られません。そして、そこにはふたのとれたヨーグルトカップ…私は思わず親指を立てて、「やったじゃん!!すごいね!!」と自分のことのように喜んでいました。実は、一度ふたを開けてあげるフリをして少し触っただけで「これで開けられる。やってごらん?」と返したことが以前ありました。Aくんはヨーグルトを手に取ると自分で開け、「おぉ!すごいじゃん!実は今しょう先生も少し触っただけだったんだよ、これで次は開けられるね!」というやりとりをした事がありました。その時の経験が自信につながり、その日の挑戦が生まれたのだと感じました。
 出来ないこと→カッコ悪い。というAくんの考え方が
 出来ないこと→何度かやればできる。とAくんの中で変わってきたのを感じました。
「やれば出来る」を知ったAくんは、その日を境にいろいろなことに挑戦するようになっていきました。そして、出来たことや挑戦したことを逐一教えてくれるようになりました。そんな姿を見てこれからも何事にも挑戦していってほしいなぁとしみじみ感じました。

一柳 翔平

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