木月保育園のブログ「小さなもみじの物語」

「イロとカタチ」(あひる組編)

2014.09.13

 暑い夏も終わり、楽しかったプール遊びも終了しました。あひる組の子ども達は、園庭や散歩など戸外遊びを楽しんだり、室内で運動遊びを楽しんだりして身体を動かすことを楽しんでいます。そして保育室では、ブロックや穴落とし,型はめパズル,電車を楽しんで行っています。
 その中で特に私が子ども達の成長を感じている遊びは、ブロックとパズルです。ブロックは、お手伝い保育の幼児組のお兄さんお姉さんの刺激を受けて力作大作を作れるようになりました。作る物にも成長を感じます。しかし!私はその後に成長を感じています!!
 あひる組では使用したブロックは、赤・青・黄・緑の四色に分けたカゴに片付けています。最初は全く色を分けずに片付けていた子ども達ですが、最近は色に分けて片付けたり、間違った色がカゴに入っていると正しい色のカゴに片付けてくれる子どもが増えてきました。最後は、ちゃんと正しい色のついた棚にもしまってくれます。思わず拍手してしまいます。成長と共に、少しずつ「色」の認識が高まってきたのでしょう。
 そして穴落としや型はめパズルは、4月は容器の蓋に同じ形の穴しか空いていない簡単な物を楽しんでいました。でも最近は、簡単な穴落としが出来るようになった子から、蓋と底に3種類ずつの形が空いている穴落としを楽しむようになりました。それも出来るようになった子は、更に複雑な18種類の形が空いている穴落としに挑戦するようになっています。入れ終わると、どの子どもも「ヤッテ」と保育士に持ってきて、中に入っているパズルを出してもらい何度も挑戦しています。中にはパズルが入らなくて困っている友達の横についてクルクル箱を回し、適した穴を教えてくれる子どもや、「チガウチガウ」「ソウソウ」と言葉でアドバイスをしてくれる子どももいます。こちらは、成長と共に「形」の認識が高まってきたのでしょう。
 さて、この「色」と「形」の認識。産まれてきて、まだ二年ほどのあひる組の子ども達ですが、いつ頃から認識を始めるのでしょう?
 まず「色」。産まれたての赤ちゃんは色としての認識はないといわれています。赤ちゃんには、明るいか暗いかだけです。白、黒、赤を好みます。生後2,3ヶ月の頃から、違いを意識し始め、5.6ヵ月位で、ようやく原色の識別をしたり、パステルカラーを認識できるようになるそうです。2歳くらいになれば色の違いなど、視力的には十分判別可能になってきますが、色の名前を認識するのは「脳」だそうです。その為、視覚では赤、青という違いは分かっていても、名前が分からないので赤を見ても「黄色」「青」と言ってしまうことがあるそうです。色の名前を認識するには経験を積んでいくことが大切で、教えこむよりも買い物や散歩など生活の中で沢山の色と出会わせてあげることが良いそうですよ。日本は、同じ「赤」でも茜色紅色など色彩語が豊かな国です。色彩語は経験の言語とも言われています。子ども達には、生活や遊びの経験の中で沢山の色と出会わさせてあげたいですね!
 次に「形」。赤ちゃんが初めて外界のモノを見た時に、まず反応する形は丸だそうです。外界の形には丸もあれば四角や三角もありますし、モノの動きは縦や横、斜めなどさまざまです。そして、それらを認識する脳内のニューロンは異なっていて、最初に発達するのが丸を認知するニューロンだというのです。新生児でも、5ヶ月くらいの赤ちゃんでも、丸は見ている時間が同じくらいだそうです。丸は大好きなお母さんのおっぱいと似ているからでしょうか?アンパンマンなど赤ちゃんの好きな物や玩具なども丸が多いですね。そして、物を見たときに形を認識するときに出る脳波の実験では、6ヶ月では分からなかった四角形などの物の形や深さを、8ヶ月では認識するようになったという報告があります。こうやって、◯△□など基本的な形が分かるようになってくると、複雑な形の違いが分かってくるようになります。先述したパズル遊びをするには穴の形、差し込む形も認識しないと出来ません。平面だけでなく、立体で理解しないと出来ません。遊びを通して経験しながら子ども達は形を理解し、ひいては文字への理解とつながっていくそうです。形を理解する遊びには、パズルの他にも粘土や折り紙、絵本なども良いそうですよ。
 色や形以外でも、教えこまなくても遊びや生活を通した経験の中で自然と学習していく子ども達の力は、本当にすごいな~と改めて感じてしまいます。日々出来ることが増えていくあひる組の子供たちのこれからの成長が、とても楽しみです!
 私も子供たちの成長のちょっとしたきっかけ作りや、お手伝いが出来るよう、頑張っていきたいと思います。

 

中澤 明日香

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