木月ほほえみ保育園のブログ「そこはっ!ほほえみっ子」

見立て博士(1歳児クラス・すくすく組編)

2022.01.14

すくすく組も次の2歳児クラスのお部屋で生活する時期にあっという間になりました。そんなすくすくさんは日々遊びのバリエーションが豊富になり、遊び方も広がりました。特に最近は見立て遊びがとっても上手になりました。
見立て遊びとは身近にあるものを別のものに見立て、イメージを膨らませながら行う遊びです。見立て遊びが発展すると、おままごとなど設定のあるごっこ遊びに発展する姿が見られるようになると言われています。そんな見立て遊びの豊富さに驚かされた段ボール遊びのことを紹介していきたいと思います。
ある日、室内でたくさんの段ボールを出して遊んでいました。テープを止め箱の形にしたり、ハサミで切って長方形のものにしたり、底が抜けた状態にして立てたり、色んな形の段ボールを置いておきました。

●お風呂に見立てる
まずはみんながその段ボールを見てどのような遊びをするのか観察していました。最初は箱に入る子がほとんどでした。普段からおもちゃ箱の中に入って遊ぶことが多く、子どもって不思議と箱の中に入るのが好きなんだと改めて感じました。

以前までは限られたスペースの段ボール内で毎回喧嘩が勃発していたすくすくさんですが、最近は「入れて」「いいよ」のやり取りが上手になってきたので、2人分しか入れない狭い段ボールの中でもお互い嫌な顔せず、仲良く入って楽しんでいました。

そんな箱に入ってどういう遊びをするのか見ていると、お風呂ごっこをしていました。中に何も無いとつまらないので、よりお風呂っぽくなるよう、包装紙を中に入れてあげました。その包装紙をお湯に見立て、「バシャバシャ!」とお湯を掛ける動作をすることも。普段お家で楽しくお風呂に入っているんだと感じました。

●お布団に見立てる
ハサミで切ってある長方形の段ボールでは、それを床に敷いてその上で寝転がっていました。するとそこに他の子が別の長方形の段ボールを持ってきて何をするのかと思いきや、「〇〇ちゃんにお布団かけるの!」と言いながら寝転がっている子の身体に段ボールを掛けてくれたのです。

長方形の段ボールを布団に見立ててごっこ遊びに発展させていました。

●電車に見立てる
底が抜けている段ボールでは、その中に入ってお腹のあたりまでそれを持ってきて電車に見立てていました。

最初は一人で持って電車を走らせていたものの、他の子が「入れて-」と言うと、箱で遊んでいる時同様「いいよ」と言って仲良く友だちと「しゅっしゅっぽっぽ」と口ずさみながら進んでいました。

●ゴミ収集車に見立てる
段ボール箱を押しながら落ちている紙くずを拾い集めてくれていたので「ありがとう」と声を掛けると、「これゴミ収集車なの!」と段ボール箱をゴミ収集車に見立てていました。その収集車を押して走らせて最後まで綺麗にゴミ収集してくれました。

丁度片付けの時間でその子のアイデアも面白いと思ったので、ただ「片付けるよ」と声を掛けるのではなく、その延長で「このゴミ収集車にゴミを集めて!」と声を掛けました。

すると、やはりみんなが好きなものに見立てることで子どもたちも収集車の人になりきって楽しんで紙くずの片づけをしてくれたのです。

今回の段ボール遊びではお風呂、電車、布団の他にもトンネルや洋服など身近な様々なものに見立てていて、段ボールだけでこんなにたくさんのものに変えて遊べる子どもの発想力は素晴らしいと改めて感じました。
見立て遊びは子どもたちの創造性や表現力などを育む上で重要な遊びのひとつです。この見立て遊びは子どもならではの世界観で大人にはない発想に驚かされます。はじめは身近な物を使って単純な動きをするだけですが、そこへ音声や言葉が加わるようになり、より複雑な仕草もできるようになります。

見立て遊びは、お母さんお父さん、兄弟、保育士の何気ない行動を見て始めるので、私たちにとってはいつも自分がこんなことをしているのだと自分の普段の行動や行為を子どもに気付かされます。
この素晴らしい子どもたちの想像力が更に広がるような環境づくりをしていきたいです。そして、子ども達の豊かな発想力を壊さないように私たちも配慮をしながら、一緒に見立て遊びを楽しんでいきたいと思います。

梁田

top