木月ほほえみ保育園のブログ「そこはっ!ほほえみっ子」

子どもなりの考え

2021.01.06

1歳児クラスのすくすくさんはもうすぐ2歳児クラスの部屋に移行します。

もうすぐお兄さんお姉さんになる、そんなすくすくさんは少しずつ自分で考えて行動する姿が増えてきました。

 

Aちゃんがある日、お部屋で遊んでいると、どて!っと転んでしまいました。

そのあと気にしてほしかったのか、私の方を見てチラチラ確認したり、膝を抑えて「いた~い」と言いつつもすくっと立ち上がりました。私はあえて「どうしたの?」とは話しかけず、様子を見ることにしました。

すると、また、どて!

よく見てみるとAちゃんはわざと転んでいました。

そのあとはやはり、膝を抑えて「いた~い!」と嘆き、それもよく見てみると目に手を当てて泣いているふりをしていました。

Aちゃんはその行動を何度も何度もそのあと繰り返していました。正直なぜAちゃんがこのような行動をしたのか、私には分かりませんでした。先生にかまって欲しかったから?どこかで覚えたパフォーマンス?色々考えましたがスッキリする答えは見つかりませんでした。

 

すると次の日、他の先生が「Aちゃん、今日もかわいい絆創膏つけているね!」と話しかけていました。怪我をしていなくても、おしゃれの一環としてAちゃんがよく貼っている「絆創膏」という言葉を聞いて、前日の出来事と結びつくことができました。

前日のAちゃんは絆創膏が朝のうちに取れてしまい、片脚には貼っていなかったのです。

Aちゃんは先生に絆創膏を貼ってほしくてわざと転んだり、「いた~い」と言いながら膝を抑えたりしたのかもしれないのです。

Aちゃんなりに先生へのアピールの方法を考えたと思うとおもしろいです。

 

他にも別の子でこのようなエピソードがありました。

ある日、Bちゃんがお部屋で遊んでいると、Bちゃんの使いたかったおもちゃをCくんが使って遊んでいました。「かーしーてー」とBちゃんが言ってもまだ使いたいCくん。

貸さないCくんに対してBちゃんは「Cくん!もうすぐママくるよ!だから貸して!」と言い、Cくんから借りようとしていました。きっとBちゃんはそれを言うことで、Cくんを「ぼくのお迎えがもう来るならBちゃんに貸そうかな」と思わせたかったのでしょう。

もちろん本当にすぐお迎えが来る訳ではありません。しかもまだ低月齢のCくんにはそのことが伝わらず、結局Bちゃんはおもちゃを貸してもらうことはできませんでした…。でもそのBちゃんも、最初のAちゃんと同様、自分の欲求を満たせるよう考えた結果がその言動だったのでしょう。

 

これらのエピソードのように、少しずつ自分でどうしたら今の欲求を満たせるのかを考え、それを行動に移したり言葉で伝えたりすることができるようになってきたと感じました。

これから言葉もたくさん出てくるようになると思うので、きっと遊んでいる時や友達同士のやりとりの中でその子なりに考えた上での発言や行動がたくさん見られると思います。

その子どもなりの考えや行動に私たちももっと興味、関心を向け、なぜそのような事をしたのか考察し、これからもたくさんの「子どもなりの考え」が見られるのを楽しみにしたいと思います。

 

 

すくすく組担任 梁田莉里歌

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