小さなもみじの物語

2018 年 10 月 27 日 土曜日

  秋も深まり、給食で使う食材もさんまやれんこん、柿といった秋のものが多くなってきました。初の食材には、子どもたちの興味津々な様子が見られます。柿が出た際には、幼児では「久しぶりに見た」や「お家でも食べているよ」など、乳児では「オレンジ色だね」や、ヘタの部分を見て「お花みたい」など、それぞれ思ったことを教えてくれます。9月にはさんまの食育指導もおこなったため、私の姿を見かけると「さんま食べたよ」と教えてくれる子もいました。

 今回は、さんまの食育指導でのエピソードをお話したいと思います。指導が始まる前に、幼児のところへさんまの入った発泡スチロールの容器を持って行くと、中身が見えていないのにも関わらず、季節柄か「さんま?」と聞かれました。「なんだろうね」と返すと、笑顔で戻って行きました。指導を始め、発泡スチロールのふたを開けると「やっぱりさんまだ」といった声が聞こえてきます。食べたことがある魚について聞いてみると、みんな口々に沢山挙げてくれ、中には「大根おろしをかけて食べると美味しいよ」と食べ方まで話してくれた子もいました。さんまの栄養や旬について説明した後に魚をさばいていくと、「気持ち悪い」や「かわいそう」などといった声が聞こえてきます。指導後には、自由に触らせる予定であったため、触りに来てくれるか少し不安にも思いましたが、沢山の子が興味をもったようで、「プニプニしている」や「目が大きいね」といった感想を聞かせてくれました。

 食育で身に付けることとして、食べ物を大事にする感謝の気持ちや社会性、栄養バランスの摂れた食事、食の選択力、地域産物や歴史といった食文化の理解などが挙げられます。指導後の給食では、「さっきのさんまだ」や「さんま美味しかったよ」といった感想を教えてくれました。その中でも一番印象に残った感想が、「さんまにごめんねって思いながら食べたよ」です。指導や普段のやり取りの中で、こちらがハッとさせられるような感想を子どもたちが教えてくれることがあります。そのような気付きを通して、子どもたちに食への興味・関心を持ってもらえるように、こちらがしっかりサポートをしていきたいと思います。

 食育写真

 

 

 

東 裕奈

2018 年 10 月 20 日 土曜日

 運動会も終わり秋らしい気候になってきました。入園してから半年が過ぎ、ひよこ組のお友達は自我が目立ってきました。遊びや食事、着替えなどの様々な場面で子どもたちの自我の芽生えを感じます。
 遊びでは使いたいおもちゃを巡って、取り合いをする姿も見られます。ついこの間までは、取られたら取られっぱなし、取った子に「○○ちゃんが使ってるよ~」と声掛けをして、取られた子に保育士からおもちゃを返しても、お互いはポカーンとして、なんのことやらという様子でした。それが今では、取られた子は取った子の後を追ったり、取られそうになると、取られまいと必死におもちゃを守ります。取った子に「○○ちゃんが使ってるよ。返してあげてね」と言うと、どうぞとおもちゃを差し出したり、敢えて「私も使いたいーー」というような様子でこちらを見てきたり、声を出して反発をするお友達もいます。また、取ろうとする前に「かーしーてーとするんだよ」と声掛けをすると、「かして」と伝えられるお友達もいます。(ひよこ組のお友達は「かして」と言葉ではまだ言えないため、両手を3回ほど打ち合わせて、貸してのハンドサインをします。)
 このようなおもちゃの取り合いは、「これで遊びたい」という思いが強くなければ生まれません。もちろん、取り合い自体は良いことではありませんが、使いたいおもちゃを使えない時もあるということで、全てが自分の思いどおりになる訳でもないということを学ぶと思います。
 次に食事では数人ですが手づかみ食べから、「スプーンで食べたい」という気持ちが芽生えてきました。食事があまり進んでいないため、保育士が食べさせようとすると、自分で食べたい気持ちが強い子はスプーンを離してくれません。それだけ自分で食べたいという思いが強いのですね。
 また生活面でさらに自我を感じる場面は着替えです。Tシャツを着る時やズボンを履く時に、自分から腕や足を上げて着る子がほとんどです。その中でも最近は、ズボンを自分一人で履こうとする姿も見られるようになってきました。しかし、まだ1人では上手く履くことができないため、手伝おうと手を出すと「やー!」と怒られてしまいます。
 このように食事や着替えなどの生活面では、自分でやりたいという思いを強く感じます。もちろん1人では難しい、少し手伝いが必要なことがほとんどです。そのため大人が全てやってあげる方が早いですし、きれいに食べられたり、着替えもスムーズに済みます。しかし、それでは子どもは成長しません。子どもの「自分で」という思いを受け止めて見守る、少し手伝うことが大切です。そして何か一つでもできると、その経験が子どもの成長に繋がります。また、「できた!」という喜びや、それを褒めてあげることで、「もっと自分で!」と思い、自主性にも繋がるのです。
 急いでいる時や、忙しい時は大人がしてあげたくなることもよく分かりますが、できる限り、子どもの「自分で!」という思いを潰さず、見守ってあげてください。自分でできた時、子どもたちはとっても嬉しそうな顔をします。その笑顔を見守っていきましょう。

 

宇都宮 裕莉

2018 年 10 月 13 日 土曜日

  最近、あひる組の子どもたちはやりとりを自分たちでできることが増えてきました。ひよこ組の言葉を話し始める前からずっと伝え続けてきた「かーしーてー」「あーとーでー」というやりとりを、保育士が介入しなくてもできるようになってきている子が少しずつですが、増えてきているのです。
 あひる組になってから、「かーしーてー」と段々に言える子が増えてきていましたが、中々お友だちが「いいよー」か「あーとーでー」と言われるのを待つことが難しい、あるいはその言葉を言わずにおもちゃを取られると思って逃げてしまう子がほとんどでした。しかし、何度も何度も繰り返し「使いたいねー。でも、使いたい時は勝手に取られたら嫌だよね?まずは『かーしーてー』しようね」と伝え続けてきたことを、子どもたちが理解し行動できるようになってきたのだと感じています。
 人との関係を築いていく上で、コミュニケーションのやりとりというのはとても重要です。その為には、まず子どもの気持ちを汲み取って、相手に伝える言葉や方法を教えてあげることが大切です。取ってしまうのがいけない行為だったとしても、その「使いたい気持ち」は否定されるものではありません。その気持ちを受け止めてあげた上で、他者とのやりとりを丁寧に教えてあげれば、子どもはやりとりの大切さを理解していってくれると思います。
 乳児期の脳の発達には、応答的な言葉がけが影響するということも最近研究で明らかになってきています。応答的な言葉がけとは、子どもたちが何かを伝えようと言葉を発した時に「そうだね、○○があるね」と愛情を込め、肯定的に返事をしたり、「○○ちゃんはどうしたいの?」と子どもの気持ちを聞いて、子どもの返答に対し「○○ちゃんは〜したいんだね、じゃあ○○しようね」などと子どもの気持ちを受け止めたやりとりをする言葉がけのことを言います。そして、脳の大きさは乳児期の関わりによって決まってくるそうです。
 とても重要な時期でもある乳児期ですが、大変なこともたくさんあると思います。しかし、その子の気持ちを受け止め、その上でどのように他者と関わっていくことが大切なのかを伝え続ければ、いつかきっと上手に他者と関われるようになってくると思います。なので大変な時こそ、とても難しいとは思いますが、その子の気持ちを落ち着いて温かく受け止め、やりとりの仕方を丁寧に伝えるような応答的な言葉がけを心がけてみて下さい。その親御さんの苦労は、必ず子どもたちの心の成長の支えとなり、きっと報われる時が来ると私は信じています。

 

落合 みお

2018 年 10 月 6 日 土曜日

 最近のりす組ではおままごとがブームです。以前は、同じ場所にはいるけれど、それぞれがスプーンやお皿を持ってそれぞれで遊ぶ、平行遊びの状態が多かったのですが、最近ではお友達との関わりが上手になってきたと感じる場面がたくさんあります。
 そんな中、2つのエピソードをご紹介したいと思います。人気のおもちゃであるゴムベラ。青色と赤色の2本あるのですが、どうしてもお友だちが使っている色違いのピンクの方を使いたいAちゃん。「青が空いてるよ。」といっても首を横に振りながら「ピンクがいいの。」そこで保育士が「そしたら青と交換してって言ってみたら?」というと、「うん。」と言ってお友達に「ピンクのかーしーて。」としっかり伝えることができました。するとピンクを持っていたBちゃんは「いいよ!」とすっと青色と交換してくれたのです。「Bちゃんにありがとういった?」と聞くと、Aちゃんは勢いよく「うん!」といってから大きな声で「ありがとう!」とBちゃんに伝えていました。そして2人とも嬉しそうににこにこしてその後も遊びを続けていました。
 またある日、お友達が使っているままごとの食パンのおもちゃが使いたいと泣いているCちゃん。パンを使っているDちゃんに「Cちゃんに半分貸してあげてくれないかな?」と保育士が尋ねると、「いやだ。」と一言返ってきました。しかし、しばらくすると、DちゃんがCちゃんをみて「なんで泣いてるの?」と聞いてきたので、「パンが欲しかったんだって。」と答えると、少し考えてから「いいよ!」とパンを貸してくました。
 2つのエピソードのように、保育士を仲立ちとして、生活や遊びの中で友達との言葉のやり取りをする姿にはとても成長を感じます。「この時期の子どもは人への基本的信頼感に支えられ、 また生活や遊びへの気持ちが高まる中で、周囲の同年代の子ども等に興味を示し、自ら関わりをもとうとするようになる。こうした意欲が、この時期の豊かな生活や遊びを支え、その中で子どもは人と関わり合うことの楽しさや一緒に過ごすことの喜び、安心感といったものを味わう。 こうした経験が、人と関わる力の基礎を培っていく。」保育所保育指針にはこのような記載があります。
 まだまだ、子ども同士のやり取りの中で保育者の助けが必要な場面もたくさんありますが、そこですぐに介入せずに、少し見守ってみるという姿勢も大切だと感じます。人と関わる力の基礎を培う大切な時期だからこそ、これからも子ども達が子どもたち同士でより楽しく遊べるように、お友達との関わり方を教えながら、見守っていきたいです。

 

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川上 雪乃