小さなもみじの物語

2018 年 9 月 29 日 土曜日

 ある日の出来事。
 「Aちゃんから『Bちゃんは、折り紙の天才だね!』て褒められたんだよ!」ってすっごく嬉しそうに話していたんですよという報告を、Aちゃんママから受けました。ちょっとしたお話が、時に子どもの成長を感じ、胸が熱くなってしまうことがある。
 Bちゃんは、人一倍甘えん坊だし、使ったおもちゃは片付けないし、イタズラもいっぱいするし。「本当にもう!」と心の中で思ってしまうこともしばしば…。
 でもよく見ていると、泣いている子を心配そうに見ていて、涙をティッシュで拭いてあげたり、友だちの悲しさや嫌なことを、「やだよねー!」って共感してくれたりと、良いところが沢山。そんなことを、Aちゃんママからの報告で、振り返ることができました。
 その時にこんなことを思いついたんです。「先生、○○ちゃんが○○していて、素晴らしいです!」なんていう報告があった日は、記憶になく、「先生、○○くんが○○してくるー!」「先生、○○ちゃんが、○○貸してくれない!!」と毎日、クレームの嵐なわけですが…
 クラスのみんなが、どのくらいお互いの良いところに気づいているのか、聞いてみたいなって。そこで、クラスのみんなを集めて、お友だちの良いところを発表してもらいました。
 「笑顔が素敵」「積木が上手」「虫を捕まえるのが上手」「一緒に遊んでくれる」「本を読むのが上手」「お山を作るのが上手」「鉄棒が上手」「友だちがいっぱいいる」「走るのが上手」「なわとびが上手」「跳び箱が上手」「お手伝いをよくしている」
 その他たくさん友だちの良いところを沢山挙げてくれました。まだまだ、言葉が足りないところも沢山ありますが、想いがしっかり伝わってきました。みんな、ちゃんと友だちの良いところに気づいているんだなぁと感心しました。子どもから教わることは毎日沢山あります。
「先生、顔がコワーイ!」と言われた日には、帰り道に反省するし、
「先生、かわいい!」と言われたら、それだけで、1日ご機嫌になっちゃうし…。そう!子どもたちもそうなんですよね!!褒められることは、誰だって嬉しいんです。
 脳科学の世界でも、「褒める」といことは、「脳の報酬系」を活性化させるという意味でとても良いことと言われています。脳の報酬系とは、分かりやすく言うと、何らかの欲求が満たされたときに活性化し、その個体に「気持ちいい」という感覚を与えること。例えば、のどが渇いて仕方のない時に、冷たい水を飲むと、頭の中を「気持ちいい!」感覚が駆け巡ります。このとき、報酬系が活性化してドーパミンという物質を放出していると考えられています。最近の研究では、ドーパミンは脳の構造の変化に影響を与えていることが分かってきました。簡単に言えば、脳には、ドーパミンが得やすいように、自らの構造を変えようとします。例えば、折り紙を頑張っている時に褒めてもらうと、折り紙をするのに必要な神経回路が強化され、より上手になる...。ひとつの可能性として、こんなメカニズムが推測されます。
 では、ただ褒めるのではなく、上手に褒めるためのポイントがあるそうです。
  ●「具体的」にほめよ
  ●「すかさず」ほめよ
  ● 目標は「低く」せよ
 この3つプラス、何か進歩があったら、すかさず褒めることも大切です。脳はいつでも、褒められたがっています。これは、脳が自らをよりよいものとするために持つ基本的なシステムだそうです。
 まずは、大人も子どもも、褒められることは嬉しいということを忘れずに、子どもたちと関わっていきたいと思いました。

 

眞弓 知子

2018 年 9 月 22 日 土曜日

 朝夕の空の色や肌を触れる風に、どことなく季節の移り変わりを感じる頃となりました。入園して6ヶ月たつひよこ組の子どもたち。この6ヶ月で沢山のことができるようになりました。その中でひよこ組のみんながはまっているものを紹介したいと思います!
 木月保育園では、子どもたちの発達に合わせて、手作りおもちゃを作っています。その中でも今1番人気なのが「穴落とし」です。プラスチックの食品保存容器に穴をあけ、その中にポットンポットンとペットボトルの蓋や小判形の札、チェーンなどを入れていく通称「ポットン落とし」です!入れる素材のギリギリのサイズに穴をあけてあるので、子どもたちはポットン落としに集中して遊び込んでいます。ポットン落としは、指先や手首の発達にもなります。指でつまんで穴まで持っていき、手を離す。素材によって向きを変える必要のあるもや、チェーンなどは持つ場所を考えたり、ユラユラと動くので両手を使ったりと目で見て、手を動かして、どうしたら入るのかと頭も使います。

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 指先の発達は、子どもたちにとって大切なことです。着脱や、ご飯を食べる時、小さなものをつまむ時、絵本をめくる時など、どれも日常生活を送る上で必要な動作ばかりです。最初からボタンを留める練習、スプーンの練習などと訓練的にやっても子どもが辛いですよね。楽しい遊びの中で指先をよく動かす経験、そして「できた」「もっとしたい」と自信と意欲も湧いてきます。
 ひよこ組のお部屋では、ポットンと穴に入ると「あー!」「おー!」パチパチパチと拍手喝采です♪
 そんな、大成長真っ最中の木月保育園のひよこ組さん。木月保育園では10月に運動会があります。10月にはどんな事が出来るようになってるかな?保育士も子どもたちもドキドキワクワクです!これからも、子ども一人ひとりの発達にあった楽しい遊びたくさん提供していきたいと思います!

 

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村田  碧

2018 年 9 月 15 日 土曜日

 今年の乳児組の夏の保育はプールだけではなく色々な感触遊びを取り入れてお部屋でも楽しく涼しく過ごしました。寒天遊び、氷水遊びや片栗粉遊びなどなど家庭では体験できないようなことや、今まであまり体験してこなかった遊びを通して指先の感覚を刺激してきました。寒天遊びではヒンヤリとする寒天を触ってみてぐちゃぐちゃになるまで潰して遊んでいました。Aちゃんはタライの中に自ら入ったり、自分で肌着の中に寒天を入れて全身で寒天を楽しみました。その姿を見てB君に寒天を入れるとイヤイヤと言って嫌がっていました。
 氷水遊びでは冷たい氷を背中に入れられてギャーッ!と叫びながら楽しみました。笑Aちゃんをタライの中に入れると冷たさが嫌だったのか、泣かれてしまいました。しかし、Cちゃんは大きな氷を手に持って、ビショビショになりながらも、冷たさで手がジンジンする感覚も知りました。
 片栗粉遊びでは、言葉ではうまく言い表せないような、手に持つと固いけど、手を開くとヌルヌルと手から流れていく不思議な感触を経験しました。寒天を喜んでいたAちゃんは全く興味を示さず、寒天であんなにイヤイヤしていたB君は水を得た魚のように頭の先からつま先まで片栗粉だらけになって楽しんでいました。
 寒天遊びが好きだからと言って、氷水や片栗粉が好きとは限らずに嫌がる子もいて、不思議だなぁと私自身も発見がありました。もちろん、嫌がる子もいたので、そういった子たちには、また違ったアプローチをしていきたいと感じました。
 どれも家庭では難しく、保育園だからこそ経験できる遊びをこの夏経験してきました。色々な素材で遊びながらさまざまな刺激を受けて、指先から感覚が広がっていきます。この先、ただ、手先が器用になるだけではなく、指先から得られる情報で「なぜ、~なんだろう」「~したらどうなるんだろう」など考える力が養われて行きます。そして、集中力や思考力が高まっていくことにつながると思います。
 何かに夢中になって遊んでいる間にも、子どもたちは色々経験を自分の中に落とし込み発達しているんですね。これからも、子どもたちの発達につながる遊びをジャンジャン促したいと思います。

 

一柳   翔平

2018 年 9 月 8 日 土曜日

    りす組に生き物のお友だちが仲間入りしました。それは・・・カブトムシです!名前も子どもたちが決めて、雄が「おにくん」(子どもたちが鬼を好きなことから)雌が「もぐちゃん」(よく土の中を潜っていたから)と名付け、りす組で飼うことになりました。さて、子どもたちとカブトムシ、どんな化学反応が起きるのでしょう・・・
    朝、私がりす組に入ると早速「おにくん見たーい!」と、声が聞こえます。ケースから出し、子どもたちの前にカブトムシを移動すると、目の前で動き出すカブトムシに大興奮。「きゃー動いた〜!」「Aちゃんの方に向かってくるよ!」と、芸人さんのオーバーリアクションくらいの声で、カブトムシの行動に驚いていました。(笑)そして、観察しているだけでは気持ちが収まらなかったのか手を伸ばし、『ツンツン』と、今度はカブトムシの胴体を触り始めました。そしてまた、「きゃー!」と大きな声をあげ、触っては「きゃー!」を繰り替えてしていました。触りたいけど、どんな反応するか怖い・・・という気持ちの中で、触ることができた嬉しさからの「きゃー」だったのかもしれませんね。そして、皆がカブトムシの胴体を触る中、1人果敢にもツノに手を伸ばしたBくんがいました。Bくんは、恐る恐るツノの先端に手を伸ばしました。『ツン』触り終えるとすぐに手を引っ込めて「痛かった・・・」と一言。Bくんの中で何かを感じとった表情で語っていました。胴体とは違った感覚だったのですかね?
    またある時、カブトムシのゼリーがなかったので、新しいゼリーをあげることにしました。そして、カブトムシがゼリーに向かって歩いていく様子を子どもたちが観察していると・・・「もくちゃんご飯だよ〜食べて〜」ゆっくりゼリーまで進んでいたので「頑張れ〜!!」とカブトムシに声をかける姿がみられました。その時は、今はゼリーに向かって頑張っている時だと分かったのか、カブトムシには手を触れず、みんな応援をして観察していました。
    カブトムシと触れ合った子どもたちの反応から、カブトムシの体や行動など子どもたちにとって、全てが驚きの連続で興味深いものだったのだと思いました。実際に「見て」「触って」生き物出会うことで自らの気づきが生まれ「もっと触ってみたい」という意欲に繋がっていきました。このことから、実際に本物に触れ合うという経験が大切なのだと感じました。また、カブトムシに話しかける姿が見えるなど、子どもたちの中で愛着も育まれていました。
    保育所保育指針には環境の内容について「自然に触れて生活し、その大きさ、美しさ、不思議さなどに気付く」と記されてあります。大人にとっては当たり前と思う瞬間も、子どもには本物の生き物に触れる経験が、たくさんの不思議やワクワクに出会う瞬間でもあります。また、子どもが自然の大きさ、美しさ、不思議さに直接触れる経験は、心の安らぎ、豊かな心情、好奇心、思考力、表現力の基礎が培われると言われています。虫が好きな子どもは自然と園庭などで、虫を見つける機会が多いと思いますが、虫が苦手な子どもは、なかなか自分から出会う機会は少ないと思います。そこで、あえて保育者が生き物に触れ合える環境を作ることで、虫が苦手な子どもの興味を広げたり、より子どもの好奇心を育んだりして、子どもたちの「気づき」に繋げていけるのではないでしょうか。
    これからも子どもたちの本物に触れ合う経験を大切にしながら、保育を行っていきたいです。

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小池達哉

2018 年 9 月 1 日 土曜日

  幼児組では勝ち負けのあるゲームなどの活動も取り入れています。3歳児の子どもたちも楽しんで参加しています。お友だちと同じことをして遊ぶのが楽しくて仕方がない子どもたちですが、少しずつその姿に変化が見られるようになってきました。
 ある日、ホールで椅子取りゲームを行いました。乳児から幼児に上がったばかりの頃に行ったときは、まずルールがわかるように、ピアノが鳴っている間は歩く、ピアノが止まったら座る、と子どもたちと同じ数の椅子を用意して行いました。みんな、キャーキャー笑いながら楽しんでいました。後半、椅子を減らしていきましたが、しっかりルールを覚えていき、座れなかった子も笑いながら、待機場所の椅子に座っていました。
 それからしばらく経ち、また椅子取りゲームを行った時に、前回見られなかった子どもたちの姿が…。ゲーム開始、椅子に座れた子も座れなかった子も笑っていました。残った子で再びゲーム開始。そこで座れなかったAちゃんが、待機場所の椅子に笑いながら向かい、少しすると泣き出しました。Aちゃんは前回のゲームでも途中で座れなかったのですが、その時は待機場所のお友だちと笑い合っていました。でも、今回は泣いています。おそらくAちゃんはゲームについてくる勝ち負けが分かるようになり、それに対して、負けて『くやしい』という気持ちを持ち、それが涙になったのでしょう。
 これは、自分と他の人の区別がはっきりし、『集団の中の一人である自分』を知り、自分と相手の気持ちの違い、思い通りにいかないことへの葛藤を得たということです。この葛藤やくやしいという体験をするなかで、気持ちを受け止めてもらい、大人やお友だちと乗り越えることで、徐々に自分で乗り越える方法を考えられるようになっていきます。そうした体験のなかで、人に対する信頼感や思いやりの気持ちの芽生えにも繋がっていきます。
 Aちゃんや他のくやしく思う子どもたちには、その気持ちの大切さや、もしかしたら勝った子よりもこれから強くなれるかもしれないことを伝えました。
 生きていくなかで、つまづく場面はたくさんあると思います。それらを避け続けるのではなく、うまくいかなくても、『次はこうしたら…』とどんどんチャレンジしていってもらいたいと思います。

 

坂本  摩利