木月保育園のブログ「小さなもみじの物語」

「捕まえたダンゴムシの行方は・・・」(2歳児りす組編)

2018.05.12

 いつも「先生見て?」と、ブロックで作ったものを何でも見せに来てくれるAくん。そのブロックに友だちが興味を持ち、Aくんに近づくと「僕のだよ」と半泣きになってしまう事がよくあります。そんな、他者とのコミュニケーションを学んでいる途中であるAくんの園庭でのお話をしたいと思います。「アリさん捕まえる?」今日も元気に園庭隅の花壇に、子どもたちが向かいました。園庭では子どもたちが、砂場遊びや三輪車など、1人ひとりが好きな遊びをしています。その中でも、“アリ探し”は子どもたちに人気です。いつも、誰かしら虫カップを持って、小さなアリさんを探して、地面とにらめっこしています。Aくんも「アリさん捕まえる!」と勢いよく、花壇の方へ飛び出して行きました。「あっっ!」その日はいつも以上に大きな声が花壇の方から聞こえました。様子を見に行くと、「先生、ダンゴムシ見つけたよ!」とAくんが笑顔で、私にカップに入ったダンゴムシ見せてくれました。その表情はお迎えで保護者が迎えに来たときのように、キラキラしていました。すると、その様子を見ていたBちゃん、Cちゃんが「見せて、見せて」とAくんが捕まえたダンゴムシに興味を持ちました。そして、ダンゴムシを見たBちゃんが一言「私も欲しい」Aくんに詰め寄ったのです。こんなとき、Aくんはどうするのだろう・・・。ブロックのときみたいに「僕の!」と言うのかな?Aくんの行動に一挙手一等足しました。すると、Aくんは、自分のカップに入っていたダンゴムシを見つめ、少し考えてから、「はい」と自分のカップに入ったダンゴムを取り出し、Bちゃんに渡したのです。「男前や・・・」私がAくんに惚れてしまいそうでした。そして、Cちゃんの分のダンゴムシも捕まえ、Cちゃんのカップにダンゴムシを入れました。そして、そのあと自分の分のダンゴムシを見つけ、捕まえていました。「ありがとう」と、BちゃんもCちゃんも嬉しそうにAくんに声をかけ、私もAくんに「Aくん優しいね」とそっと声をかけると、Aくんニコッと笑っていました。私はAくんが気持ちの中で、ダンゴムシを友だちにも見て欲しいという気持ちが生まれたのではないかと感じました。
 2歳児は身体・言葉の発達に伴い、身近な友だちとの関わりが生まれ、他者に興味を持ち始める時期です。まだまだ、自分の気持ちをうまく伝えられないことが多いですが、日々の生活の「子どもと子ども」の関わり中で様々な体験をして、他者との関わりを学んでいる事を感じました。私は「子どもと話したい」という気持ちから、子どもの会話の中に入っていきがちになっていましたが、この体験から、私たち保育士は子どもの「子どもと子ども」の関わりを見守る姿勢も大切だと気づきました。大人の仲介が必要な場面もあると思いますが、これからも、「子どもと子ども」の関わりを、暖かく見守っていきたいと思います。
 ただ、Aくんが見つけたのはダンゴムシではなくワラジムシだった事は、ここだけの話ですが・・・(笑)(笑)

小池達哉

 

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