木月保育園のブログ「小さなもみじの物語」

「いたかったね〜」(フリー編)

2018.03.17

 もう3月になり、子どもたちも本当に大きくなりましたね。4月にはひとつ大きいクラスや小学生になりますね。
 先日、あひる組に入ることがありました。ウッドデッキに出て子どもたちが楽しそうに走って遊んでいました。あひる組の子たちは、”よーいどん”でみんなで走るのが大好きです。この日もみんなでよーいどんをして遊んでいました。その時、AちゃんがBくんとぶつかり、おでこをぶつけてしまいました。
 それをすぐそばにいたCちゃんが一部始終見ていたのですが、そのCちゃんの見ている顔がすごかったのです。Cちゃんの顔が全てを物語っていて、「あーぶつかりそう・・・」(口が少し開いて見ている表情)「ぶつかった!あ〜ぁ、痛そう・・・」(片目をぎゅっとつぶり、痛そうな表情)この心の声が表情として表れていました。その後、CちゃんはAちゃんの頭を撫でて、大丈夫〜?と気に掛けていました。
 このCちゃんの姿はまさに2つの心の成長を表していています。1つ目が、痛い(痛かった)経験値。2つ目は、相手の気持ちになって考えること。この2つが合わさって、今回のCちゃんの姿があると思います。
 経験値は言葉の通り、経験しないと得られないものです。今回は痛かった経験があったことにより、(ぶつかったら痛そう・・・)と発想したのだと思います。痛かった思い(経験)をしていない人は痛さを想像することができないでしょう。そして、相手の気持ちになって考えるという事は、相手に興味を持ち、相手のことを知ろうとして出てくるものではないのでしょうか。自分のやりたい遊びならば、お友達のおもちゃを取ってしまうくらいの自分中心だったCちゃんが、こうやって相手の気持ちを考えられるようになったのは本当に成長したんだなと感じました。
 この2つの要素があったこの事柄は一見するとどこにでもある風景だと思うのですが、子どもの育ちを見ていく上では、とても大きな事柄だったと考えています。
 これからも子どもの小さな成長を見つけられるようにアンテナを張っていきたいと思います。

 

宮川 盾夫

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