木月保育園のブログ「小さなもみじの物語」

「子どもはいつでもどこでも見ています」フリー編

2018.01.20

 子どもと接しっていて“ハッ!”とする瞬間。ありますよね。ある日私が幼児組の子どもたちと一緒に園庭で遊んでいると、あひる組のAくんに手をひかれ〝ここに座って〟というような仕草をするのでしゃがむと木の枝を差し出され、満面の笑みを浮かべて私の方を見ていました。まだ言葉が上手に話せない1歳児。一瞬〝何の微笑みなんだろ・・・〟と考えていて、彼のして欲しいことに気づき、「あっ!!」と思わず声を出してしまいました。そうです、彼は昨日園庭で私が地面にアンパンマンを書いているのを覚えていて、“アンパンマン書いて”ということを訴えていたのです。昨日の時点では彼とは接しっていなかったのですが、遠目から見ていた彼は昨日の出来事を覚えていて私に声を掛けてきたのです。子どもというのは見てないようで見ているのです。保護者の方も同じような経験をした方は多いと思います。
 ドイツの心理学者Thorsten Kolling博士の研究によると、記憶が残るのは早くて18ヶ月(3歳)から、個人差はあるものの、大体3~4歳からだと言われています。それ以前の記憶は脳も発達途中のためうまく記憶できなかったり、記憶されてもうまくその記憶が呼び出せなかったりするそうです。3、4歳以前の子どもでも記憶が機能していないわけではなく、知っている人の顔を見れば微笑み、大好きなキャラクターには興奮し、つたないながらも言葉を話したりしますよね。ただ、この頃の記憶は長くは記憶しておけなかったり、記憶の奥底に押しやられ思いだせないのだそうです。だから大人になって思い出せないんですね。
 じゃあ、3,4歳以前の子どもには何しても、何を言っても意味がないの?!と思われるかもしれませんが、もちろんそんなことありません!3歳になっていきなり記憶が始まるわけではありませんし、それ以前の経験の積み重ねで脳は発達していくのです。
 乳児期、幼児期の経験の積み重ねの大切さ。いつ子どもたちに見られても良いように、大人は子どものお手本になるように行動していかないといけませんね。身に染みて感じた瞬間でした!

 

阿部  梨絵

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