園長日記

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  • 「早期教育の落とし穴」

    2018 年 1 月 13 日 土曜日

     前回、「あらかじめシナプスを多めに用意しておき、不要になった段階で適当に刈り込み、回路を円滑に運営するというシステムは、人間の脳の発達にとって好ましいことだ」と話した内容に対して、早期教育肯定派の人は、この「シナプスの数が最大になる乳幼児期に、子どもの能力を伸ばすために多くの刺激を与えることが豊かな育児環境である」と唱えるようになりました。ところが、最近になって、あまりにいろいろな刺激を与えることが疑問視されはじめてきているそうです。刺激が強すぎることによって、本来バランスよく行なわれるはずのシナプスの刈り込みに支障をきたし、子どもの脳に悪い結果をもたらすのではないかという懸念が、専門家の間で広がっているというのです。
     たとえば、注意欠陥多動性障害(ADHD)を例に考えています。ADHDは、年齢にそぐわない注意力の欠如、集中困難、多動、落ち着きのなさ、衝動性がみられる障害で、前頭葉の動きの低下が原因で起こるのではないかと考えられています。ADHDの原因の一つが、シナプスの刈り込みがうまくいかないことにあるのではないかという研究もあるそうです。 「無駄なシナプスをバランスよく削りながら成長する脳」というコンセプトは、何でもかんでも刺激すればするほど成長する、という従来の考え方に警鐘を鳴らすように思えると、小西氏は考えているようです。
     英語教育や○○式といったメソッドもとても流行っていますが、赤ちゃんにとって本当に良いこととはなんでしょうか?多くの情報から正しいものを選び出すことができるのは親だけです。もし、新しいことを始めようと思った時には、一旦立ち止まって考えてみてほしいと思います。