小さなもみじの物語

2017 年 5 月 27 日 土曜日

 先日、幼児ぐみへ入った時のエピソードです。
 年長クラスの男の子AくんとBくんが、カプラで巨大な線路を作って遊んでいました。Bくんは、途中でお迎えがきてしまったので、残りをAくん1人で作りあげていました。無事完成して喜んでいたところで、年少クラスのCちゃんが、かけあしで横切ったところ、足をカプラにぶつけてしまい、完成したカプラが壊れてしまいました。Cちゃんは、その瞬間どうしていいかわからず、泣き崩れてしまいました。Aくんの表情を見ると、ものすごく怒っていたので、どうするかな?と思いましたが、Aくんは、Cちゃんの元へ行き、「ここは、カプラをしているから、走ったらダメなんだよ。わかった?」と声をかけてあげていました。「明日Bくんがきたら、ちゃんと謝ってね」とも伝えていました。元々、ケンカっ早い性格で、お友だちともよくケンカをしてしまうAくんですが、今回は、年下のお友だちに対しても、とても優しく声をかけていたことに私はとても嬉しく思いました。Aくんに「えらかったね」と声をかけると「まあね」と大人のように笑っていました。
 木月保育園では、年少クラスになると、年中、年長児と一緒に同じフロアで過ごします。異年齢で過ごす事によって、子どもたちは、お互いから学び合います。年下の子どもは、年上の子どもの活動を見て学び、憧れを抱き、年上の子どもは、年下の子どもに世話をし、教えることによって自信をもち、思いやりの心を育てます。子どもたちは、これらを通して社会性と協調性を自ら学び、小さな社会を築き上げていきます。
 今回Cちゃんは、職員に全く同じことを言われるより、Aくんの言葉の方が心に響いたと思います。なんでも大人が介入するのではなく、一歩離れて見ることで、子ども自身の成長を感じる事ができたエピソードでした。

 

百々 麻美

2017 年 5 月 20 日 土曜日

 入園して早1ヶ月。長い連休を明けて久しぶりの保育園で、子どもたちも泣く姿が見られます。意外とすぐに泣き止んで今まで通りに遊ぶ子もいましたが、やはりそうはいかず時折泣き止むけれど泣くことの方が多い子もいます。特にご飯の前はお腹が空いて泣く子も多く、泣き声の大合唱です。そんな時に歌を歌ったり絵本を読み始めると、子どもたちはピタッと泣き止むんです。中々慣れずずっと泣いていたAちゃんも歌が始まると泣き止んで、絵本を読んでいる先生の方をじっとみつめ、手拍子をして笑ってくれました。先生から遠いところで1人遊んでいたB君は、先生の近くまで寄ってきました。お腹が空いて泣いていたCちゃんも気づくと笑顔で体を揺らしていました。CDをかけるだけじゃこのような姿は見られません。人の声で歌い、人が読む絵本の音が心地いいんです。
 また、自然な音も大好きです。木のおもちゃがぶつかる音、鈴の音、葉っぱの音、動物の声などたくさんの音が周りに溢れています。聞いたことのない音に出会ったとき子どもたちはとてもいい顔をします。そんな音を一緒にみつけ、一緒に感じ、「面白い音だったね~とりさんかな?」なんて話をしていく中で、自然と子どもたちは言葉の音も覚えていきます。いろんなやりとりの中で得るものは多く、やりとりをしないと得られないものも多いです。一生懸命「あーあー。うーうー。」と話す子どもたちと目と目を合わせて会話をするのも楽しいです。
 これからたくさんの音や言葉と出会うひよこ組の子どもたち。どんな音が好きなのかな?保育園でも一緒にみつけていきたいです。

新屋 淳子

絵本よみ

2017 年 5 月 15 日 月曜日

 新年度が始まり1ヶ月が経ちました。なんとなく緊張していた在園の子どもたちも、泣いていた新入園児の子どもたちも好きな遊びを見つけ落ち着いて過ごせるようになってきました。先日バギーで芝生のある公園へちょっと遠出しました。バギーで揺られながらうたを歌ったりするとリズムをとったりニコニコ笑ってくれる子どもたち…咲いているお花を見たり春の暖かい風を感じながら公園に着きました。
 低月齢の子どもたちはまだ歩けない子もいるので芝生の上で座って過ごしました。Aちゃんは最初芝生に座るのを嫌がっていたので私の膝の上で一緒に葉っぱを触ったり芝生を触ったりしました。しばらくすると膝から降りて芝生を触りはじめたので一緒に過ごしました。するとBくんがハイハイでAちゃんの側にやってきてAちゃんのほっぺを触ったりしてきました。Aちゃんびっくりして私に手を伸ばしました。「Bくん、Aちゃんと遊びたいんだね」と声をかけてAちゃんの手をとって一緒にBくんをなでなでしてみました。触った後でAちゃんはニッコリ笑顔を見せその後自分からBくんにそっと手を伸ばしていました。Bくんもとっても嬉しそうです。それから一緒に芝生を触ったり葉っぱを落としてみたり…二人の笑顔が最高でした。
 この時期は他の子に興味を示しお顔を触ったり身体を触ったりする事で最初の対人関係を学び自分と他人がいる事を認識しお友達を作る下準備をはじめる時期です。触られてちょっとびっくりしたり触って相手の反応に驚いたりしている時に、保育士がその都度「一緒に遊びたいのかな?」と声をかけたり、お友達と一緒にいる事が楽しい事を知らせていくと安心して遊びが広がり他人への興味も広がっていきます。
 子どもたちの関わりの第一歩をしっかり受けとめていき二歩、三歩と歩みを進められていけるようにしていきたいと思います。

斉藤 操

2017 年 5 月 8 日 月曜日

 2歳児クラスに進級して1ヶ月が経とうとしています。事前に部屋を移っていたこともあり、担任が変わっても変わりなく過ごすことが出来ています。友だち同士の関わりがより一層濃くなっているのを感じます。園庭で友だちと手を繋いで散策したり、一緒に虫探しをしたり、お部屋で一緒にブロックを作ったりする姿が見られます。仲良く遊ぶこともあればその分トラブルが起こることも多いです。先日の出来事です。
 Aちゃんは一生懸命ブロックで大作を作っているところでした。隣にいたBちゃんは大作を一緒に作りたかったようで何も言わずにブロックを重ねようとしました。でも、Aちゃんは一人で作りたかったようで「やめて!」と言います。Bちゃんはどうしても一緒に作りたいので黙ってブロックを重ねようとし続けていました。私が「一緒にやっていい?って聞いてみたほうが良いんじゃない?」とBちゃんに話をするとBちゃんは「一緒にやっていい?」と聞きましたがAちゃんの答えは「だめ!!」でした。そのやりとりを一部始終見ていたCちゃんが横にいました。するとCちゃんが「Bちゃん、自分で作れば良いんじゃない?」と話をし始めました。それでもBちゃんは首を横に振ります。Cちゃんは考え始めてその後Cちゃんもブロックを作り始めました。そしてBちゃんに「良いよー」と言いました。Cちゃんは自分の作ったブロックならBちゃんも一緒に作れるよと誘ったのです。そのCちゃんの言葉でBちゃんの気持ちは切り替わり、楽しくブロックで遊び始めることができました。
 私はこのやりとりを見てCちゃんの友だちの気持ちを考える力に驚かされました。まずは、Aちゃん、Bちゃんのやりとりを見て考え、その後私も加わったときのやりとりを見て考え、CちゃんなりにどうしたらAちゃん、Bちゃんが楽しく遊べるか考えて行動に移したんだと思います。Cちゃんがこの行動が出来るようになったのは、Cちゃん自身も友だちとトラブルがあったり、保育士に言葉をかけられたりしたことを経験したからだと思います。また、友だちがトラブルを起こしているのを見てきたからだと思われます。その経験を積み重ねて友だちの気持ちを考えたり、言葉を発したりすることが出来てくるようになったのですね。
 大人は常に仲良く遊んでほしいと思ってしまいがちですが、人間関係を築くには「相手の気持ち」を推測したり、自分の気持ちを上手に伝えたりすることが必要です。これはお友だちとのおもちゃの取り合いやたたき合いなどの小さなケンカ・トラブルをたくさん経験することで身に付いていくものです。「自分の思い通りにならない」ことや「たたかれたら痛い」といった気持ちを身をもって学ぶことで、相手の立場に立った考え方や思いやりが育まれるのです。つい「お友達とトラブルを起こさないように」「仲良くできるように」などと先回りしてトラブルを防止してしまいがちですが、これでは人間関係力は伸びません。人間関係力は小さいうちから多くの人と関わっている子の方が育まれやすいといわれます。その点からも保育園でのトラブルの経験を大事にしていこうと思います。
 まだまだ上手く伝えられない2歳児の子どもたち。大きな心で見守っていきたいですね。

広瀬 美穂

2017 年 5 月 2 日 火曜日

 さわやかな風に温かい日差しの中、少し汗ばむくらいに戸外遊びを楽しむ子どもたちの姿が見られます。気持ちのいい季節になりましたね。
 そんなある日の園庭でぞう組さんたちがA君とB君、それぞれが中心となって2グループに分かれて楽しく鬼ごっこをしていたときのことです。A君のふとした一言からB君と言い合いが始まったのです。A君がB君に「C君は仲間じゃないよ」と言ったことからB君は「C君は仲間だ」と怒りだしてしまったのです。そしてB君は「うそつき」と言い、A君は「うそなんかついていないよ」と、お互いの気持ちは高まっていきます。しばらく見ていきましたが、二人の気持ちは引くことなく盛り上がっていく一方で一緒に遊んでいた子たちも集まってそれぞれが好きなことを言い出してしまったので、詳しく話を聞いてみました。
 するとお互いに別々のグループで鬼ごっこを楽しんでいたが、C君が間違ってA君にタッチをしてしまいA君はC君に対して「C君は仲間じゃないよ」と言ったそうです。そこからけんかが始まってしまったというのです。確かにB君はC君と一緒に遊んでいて、A君もB君もお互いに別のグループで遊び始めたことは理解できていました。そしてC君との関係性についてお互いに間違ったことは言っていません。なのになぜ言い合いになってしまったのでしょうか。
 もちろんC君が間違えてタッチをしてしまったこともありますが、それは、A君もB君も「僕の」仲間と言わなかったことからお互いのC君への関係性を主張し勘違いを生んでしまったと思います。大人なら会話の流れや雰囲気から察することが出来ます。しかし、年長さんといえまだまだ成長途中です。自己中心的に周りの友達や状況を考えてしまうので今回のような勘違いが生まれてしまったのだと考えられます。
 これから、色々な友達と関わっていき経験を重ねていくことで、コミュニケーションの能力や相手の気持ちを考える基盤づくりにつながっていくと思います。保育園生活で身につけた力を、次に小学校での生活につなげていけるよう子どもたちを見守っていきたいですね。

 

蛭崎 晶弘