赤ちゃん研究

「マシュマロテストの結果は・・・?」

2017.05.13

 このテストで、5,6歳になると、子どもたちは待つために、誘惑から気をそらすようになります。例えば、「歌を歌っていよう」「宇宙に出かけることにしようかな」「お風呂に入ろう」などです。さらに年齢が上がると、付随する条件に意識を集中して、それを繰り返し口にすることの価値を理解し始めました。例えば、「もし待てば、マシュマロが2個もらえる。でも、ベルを鳴らしたら、一つしかもらえない」また、自分に忠告や指示を与えました。例えば、「“だめ。ベルを鳴らしちゃいけない”って言うんだよ。もしベルを鳴らして先生が入ってきたら、これ一つしかもらえないから」というようにです。
 ミシェルの実験では、12歳くらいになると、ほとんどの子どもが、関心をかき立てるホットな思考に勝るクールな思考の価値にようやく気づきはじめるようです。その頃には、お菓子についてのホットな思考が待つのを不可能にするのに対して、たとえば、マシュマロをふっくらした雲に変えるようなクールな思考は、お菓子の魅力を減らし、待つのを簡単にしてくれることをたいてい理解していたそうです。
 先延ばしを楽にする戦略を知っていると、子どもたちは、自分が抵抗しようとしている誘惑にコントロールされ、翻弄されることを免れやすくなるかというのが、この研究の原動力となる肝心の疑問だったとミシェルは言っています。欲求充足を先延ばしにする戦略を理解している子どもたちは、それを知らない子どもたちよりも、マシュマロ実験で長く待てたのです。年齢と言語知能との果たす役割を制限し、統計的に排除した場合にさえ、そうだったのです。こうして、そのような理解を深めるというのが、親や教師にとって、かなり簡単に達成できる目標となり得ることが明らかになったと言います。
 自分の意思をしっかりと持ち、自ら我慢ができる力をみんなにつけていきたいと思います。

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