木月保育園のブログ「小さなもみじの物語」

「アトリエ木月」(2歳児りす組編)

2016.12.10

 運動会も終わった10月後半。りす組では発達にあっていなかったため今まで出せなかったアイロンビーズや粘土、色鉛筆による塗り絵やはさみを用いた工作などを、朝の会までの間の自由遊びで、幼児組に移行してから自由に使えるように、今まで以上に丁寧に使い方を伝えています。
 最近では、アイロンビーズは子どもたちで置き方が違い、周りから置いていく子や、無作為に置く子、配色にこだわる子などがいたりして、面白いなぁと関心してしまいます。塗り絵も線をはみ出す子が少なくなってきました。
 そんな遊びの中で粘土で面白い出来事がありました。
 各遊びは1週間ごとに入れ替えます。このときの粘土遊びは2回目でした。1回目の粘土遊びでは箱 から出した粘土を丸めたり、叩いて伸ばしたりして粘土を楽しんでいました。2回目にも同じようなことをしていたので、何か遊びの刺激になればと思い、私は一緒に遊んでいる子の顔を作ってみました。すると、「すごーい」という声と共に黙々と子どもたちも何かを作り始めました。
 1回目の時には丸めたりして感触を楽しんでいたかのようでしたが、少し刺激を入れることで「見て~バス!」「船作ったんだよ~」とそれぞれの作ったものを見せてくれました。「すごいねぇ!」という声掛けと共に得意げにまた集中して粘土に向き合う子どもたち。しばらくして飽きてきた子は「先生、うさぎ作って」と言ってリクエストをしていました。するとAちゃんが「見てみて、お母さん」と言って見せてくれま した。そこには体から手足、頭がある誰が見ても人間の形をした粘土を見せてくれました。
 立体で物を捉え、それを立体で表現するということは、本来とても高度で難しいものです。今回たまたまAちゃんがその能力に長けていたのですが、Aちゃんを含む他のお友だちも、何か表現をし、それを保護者や保育士に受け止めてもらうことで意欲が芽生えていきます。するとそれが自己肯定感や、自信、意欲などに繋がり、ドンドンいろいろなことに取り組んでいくようになります。朝の自由遊びの時間にこれらの遊びを取り入れるようになってから、苦手なことにも少しずつ取り組むようになってきていることを実感しています。
 遊びの中での表現、生活の中での表現。少しのことでも受け止めてみると、子どもたちの目の輝き、心持ちが変わっていきます。意欲的で豊かな生活が送れるといいですね。

 

一柳 翔平

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