木月保育園のブログ「小さなもみじの物語」

『やさしいママ』(2歳児りす組編)

2016.10.08

 プール遊び、セミ取り、泥んこ遊びに色水遊びと夏の遊びをとことん楽しんだりす組さん。季節は早くも夏から秋に変わりつつあります。そんなりす組さんの一員であるAちゃんのお話をしたいと思います。
 Aちゃんはとても心優しく、お友だちみんなと仲良くなれる性格の持ち主の女の子です。例えば、「タオル相撲」というタオルの引っ張り合いをするゲームで負けてしまっても、「悔しい!」と泣いてしまうのでは無く、「あはは!負けちゃった~!」と照れ笑いで終えることができます。ある日、たまたま給食を隣で食べることになり、「ねえAちゃん。Aちゃんは何でそんなに優しいの?」と聞きました。すると彼女から驚くべき言葉が考えもせず、すんなりと出てきたのです。「それはね、Aのママが優しいからだよ」あまりの優しく純粋な言葉に思わず絶句…何と返したら良いのかわからなくなる程でした。「そうだね。Aちゃんのママ優しいもんね」と感動で胸が詰まるような思いで話すと、「うん」と元気よく返事をしてくれました。
 この話を是非Aちゃんのお母さんにも届けなくてはと思い翌朝お会いした際に話すと、お母さんもビックリ!そして涙目になって「そんな…いつも怒ってばかりなのに…。A、ありがとうね」と話していました。この光景を目の当たりにして私もまた胸がほっこり温かくなりました。
 親であれば、何度も注意をしたり、怒ってしまうということは誰でもあると思います。それでも信頼関係があれば、注意されたことを反省したり、素直に言葉を受け止めたりするのだと思います。木月保育園で行なっている保育も『信頼関係』をとても大切にしています。例えば、片付け前の声掛けで「お片付けが終わったら絵本を読むよ」と言っても、本当に先生が絵本を読んでくれるのか信じてくれなければ子ども達は片付けをしてくれません。このように、先生と子どもとの信頼関係無しでは日々の保育が成立することは不可能になります。
 親以上の信頼関係を結ぶことは不可能ですが、先生と呼ばれる私たちが信頼関係を結ぶ二番手になれるように、子ども達と一緒に過ごしていきたいと思います。

田所 未帆

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