木月保育園のブログ「小さなもみじの物語」

「自分の見え方」(3・4・5歳児幼児組編)

2016.08.01

 入園・進級から5か月がたち、クラス全体として落ち着いてきました。生活や遊びの中で一人ひとりの発達において、個々の段階を着実に進む姿が見られることを毎日楽しんでいます。そんな中からこんなエピソードです。
 今あひる組さんは色々な遊びが上手になってきています。ブロックやままごと、絵本を見ることなど集中して遊べるようになってきました。しかし、まだまだ興味があるものに突き進んで行ってしまうAくん。お友達が遊んでいるものに手を出してしまうことが多く遊んでいる子に「やめて~」や「あ~~~」と怒られていることもあります。もちろん保育士としては遊んでいる子の遊びを守らなくてはいけないのですが…他の子の上手に遊ぶ姿を見て少しずつ覚えていくこともありますので難しいところかなと思います。Aくん自身は怒られている意識はもちろんなく、ただ目につく面白そうな遊びに向かっているだけなんだと思います。
 もう一つです。大人の様子を見ながら壁に隠れるBくんがいます。子どもにはよくある話ですが、身体を隠してはいるのですがこちらを見ているので顔がバッチリ見えてる感じです。しかしBくん自身は隠れているつもりなので、ちょっぴりいたずら顔でウキウキしてるのが伝わってきて本当にかわいいです。
 この二つのエピソードでわかることがあります。今の時点ではまだ、「他人には自分がどう見えるか」という自意識を持っていないということです。簡単に言うと「相手の立場になって考えることができない」ということです。その自己中心性が「いい」とか「悪い」とかいうことではなくて、発達段階としてそういう時期なのです。「自意識のない」状態から成長・発達していくためにも、その過程においては普段の生活の中での保育士や他児との関わりや遊びがとても大切なんだと感じます。
 子どもとの関わりの中で無駄なことは一つもありません。一言の会話や大人からの視線ひとつにおいても子どもたちには大切な成長のパーツになるはずです。なので、一緒に子どもに寄り添い成長を見守っていきたいと思います。

 

蛭崎 晶弘

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