小さなもみじの物語

2015 年 10 月 31 日 土曜日

 運動会も終わってすでに10月の後半ですが、幼児組のお友だちからはそれぞれ何かをやり遂げた自信のようなものが伝わってきています。そんな中、幼児組のA君が運動会後も鉄棒の練習を頑張っていました。
 「見てー」と言って運動会の時にも披露してくれた「イルカジャンプ」をしてくれて、その後も「豚の丸焼き」「足抜き・おしり抜き」と、A君が出来る技を次から次へと見せてくれました。しかし、そんな技の数々を見せてくれたのですが、どこか正しい形とは違うような、そんな違和感を覚えました。そこで私は、「こうやるともっとかっこよく見えるよ」と声をかけ、一度自分で「足抜き・おしり抜き」をやって見せました。すると「え~、出来ないよぉ」と言いながらも鉄棒にぶら下がっていました。「おなかに力を入れるんだよ!大丈夫出来るからやってごらん!」と声をかけてみると「ふ~んッ」と力を入れて挑戦していました。初めはぶら下がっているだけで、腹筋の力で足を持ち上げることは出来なかったのですが、途中からコツをつかんだのか、ひざを曲げながらグイッと足を持ち上げていました。すると、ドンドン上達していき、ついに足先が鉄棒と腕の間を通りました。「できたー!!」といってそのままの勢いでおしり抜きもしていました。そして再びこちらを向きなおり、とてもうれしそうなキラキラした瞳をしていました。その後もA君は何度も繰り返し「足抜き・おしり抜き」をして、とてもご満悦でした。
 A君は運動会の前には、鉄棒が好きで好きで仕方なく毎日鉄棒がしたいという姿は見られませんでした。しかし、運動会で保護者の皆さんに競技を見て頂いたことで、A君の鉄棒に対する意欲は高まり、出来ないと思っていた技が出来たことで、さらに盛り上がりました。
 運動会は、当日までにすごく気持ちが盛り上がる子もいれば、A君のように運動会後に意欲が高まる子もいます。このように行事は発達を見せることに加えて、子ども達の意欲を高めるきっかけの場にもなっています。
 運動会をきっかけにさらに主体的に取り組むA君の姿は、嬉々としていて、どんなことでも出来てしまいそうな気がします。今では、前回りをしたいと言ってくるようになり、体を支えてあげながら前回りのやり方を体になじませてチャレンジしています。子どもそれぞれに気持ちの盛り上がり方は違います。その時々で子どもの気持ちを見逃してしまい、寄り添ってあげられないということがないように、子どもの今やりたいという気持ちが高まっている時こそ、しっかり受けとめて、のばしてあげたいです。

一柳 翔平

2015 年 10 月 27 日 火曜日

 朝夕涼しく段々と紅葉も見られ、いよいよ秋の気配を感じるようになってきました。季節が夏から秋に変わるように、子どもたちにも様々な成長の変化が見られるようになってきました。
 ひよこ組の子どもたちは10月で全員が1歳になります。それに伴い知恵も出てきて遊びにも玩具を取り合ったり、食事に好き嫌いが出てきたりと少しずつ自己主張をするようになってきました。また、移動方法もずりばいからハイハイに変化したり掴まり立ちが一人歩きできるようになったりと入園から少しずつ成長を見せています。
 そんな中、一番変化していることがあります。それは食事の在り方です。離乳食が始まった時は保育士が食事の介助をしていたのが今は子どもたち自身がスプーンを持ち、手で触れてご飯を食べています。そして、食事の在り方も様々です。始めの頃は給食のどの献立も口に入れてすぐに吐き出していたAちゃん。しかし、小さいものを手で掴めるようのなってからは食事にも興味が出てきたのか、少しずつ食材の感触を楽しみ始め、自分から口にもっていって味を確かめる姿が見られるようになってきました。また、野菜が嫌いで保育士が前に持っていくだけで手で退けていたBちゃんも1日1日異なる食事をしている中で自分が食べられるものがあるとわかると手で嫌いなものと好きなものを搔き分けてから食べ始める子どもなど、食事の在り方だけでこんなにも違うのです。
 ここで見えてくるのは感触を楽しみ食事への意欲の芽生えと好きなものと嫌いなものの区別でき且つ自分で選ぶことができるということです。自我の芽生えは生後6ヶ月から始まることが多いと言われています。この頃になると首が据わり始めたり、座位ができるようになったり少しずつ自分の身体を動かすことができるようになります。そして思い通りに動くことによって何かに意欲を示し何かを選ぶことができるようになります。そうした興味や選択の積み重ねが子どもたちの心の成長となるのです。
 全員が1歳を迎える今、性格や遊び方、食事の在り方が少しずつではありますが一人一人定まってきたような気がします。これからどんな人になっていくか、長く暖かい目で見守っていこうと思います。

岡本 万太郎

2015 年 10 月 17 日 土曜日

 日中、忙しく鳴いていたセミの声が、夜の静かな虫の声と変わってきました。ひとまわり逞しくなったあひる組は、以前より活発に体を動かし、園庭遊びでは、挑戦する遊びの視野も随分広がってきました。
 ちょっと怖くてへっぴり腰になっていた段差からのジャンプや、太鼓橋の登り降り、ジャングルジムにも積極的に挑戦しようとする姿が見られ始めました。また、室内での遊びにも、視野の広がりが見られてきました。今までは『人形をおんぶする』という格好がしたかっただけのようでしたが、最近では、人形を赤ちゃんのように優しく世話するという遊びに変わってきているようです。胸に抱いて『ヨシヨシ』とゆらしてみたり、ベッドに寝かせて布団をかけ、トントンしてあげたり…
 そんなある日の出来事です。クラスに『ジョージとマイケル』という人形があるのですが、何故か皆、服やパンツを脱がせてしまうのが好きで(笑)、この日もジョージがパンツを履いていませんでした。『誰かー、ジョージくんのバンツ、履かせてあげてー?お尻出して、可哀想よー』と私が言うと、Nちゃんがジョージのパンツを探し出して履かせようとしてくれました。(写真)その後です。Nちゃんがパンツを履かせるのに苦戦していると、私の声をどこかで聞いていて、苦戦しているNちゃんの様子に気付いたYちゃんが、そっと近づいて、一緒にパンツを履かせようとし始めたのです(^_^)その寄り添う姿が本当に、可愛くて、ついカメラを向けてしまいました。IMG_1754


 4月から、ひよこ組(0歳児)と一緒に関わっていく中で、今までは『自分より小さい子』に対する接し方が、よくわからないような戸惑いの様子が見られていました。でも、関わりが増えていく毎に、少しずつどう気持ちを伝えたら良いかがわかってきているような優しい表情も見られるようになってきました。
 この年齢の子ども達は、『イヤイヤ期』が始まり、自分の思い通りに行動したかったり、周りにもそれを要求したり、それが通らないと気がすまなかったりといった、自己中心的な感情が大きく芽生えてくる時期です。しかし、その気持ちがハッキリ芽生える前の段階から、年下の小さい子が、自然に自分の生活の中に存在することで、少しずつ自分より小さい弱い者という感情が芽生えていき、同年齢には自我をぶつけてしまうけれど、年下の子には、優しく拒否をしたり、我慢したりと、気持ちの表現を調整するようになってくるのです。
 最近では、ひよこ組の子に接する際は、そっと横から覗き込んで、話しかけるような姿も見られるようになりました。初めは小さな優しさから、少しずつ、大きな優しさへと成長し、それが思いやりや、気付きへと繋がっていく事を実感できる、とても心が温かくなる一場面でした。
 まだまだ小さいと思っていても、子ども達の中では、少しずついろいろな感情が芽生えきています。普段はいたずらばかりしていたり、言う事を聞いてくれない、と思うこともあるかもしれません。でも、ふ、とした瞬間に、小さな優しさを感じられる場面があると思います。その小さな優しさを見逃さないように、そして、その小さな優しさを大きな感情へと成長出来るように、日々、子ども達とのコミュニケーションを深めていきたいと思っています。

中谷美帆

2015 年 10 月 10 日 土曜日

 先日新しいパズルをりす組に出しました。子ども達の大好きな電車やバスや新幹線などの乗り物パズル。ピースは2ピースから多いピースへと段階が上がっていきます。最初は絵でパズルを選んでいた子ども達、「むずかしーい」「できなーい」と助けを求める声も多かったのですが、日々やっていくうちにどんどん出来るようになってきました。りす組で1番小さい月齢のAくんもパズルに挑戦。少ないピースからどんどん多いピースを完成させていきました。連絡帳でお家の方に話すと家でもパズルを好きでやっているとの事、納得でした。
 Bくんは自分の持っているパズルをしながらAくんの一番多いピースをしているところをチラチラ見ていました。Bくんはまだ1番多いピースを完成した事がありません。Aくんのパズルが完成し担任に戻すとBくんはAくんのやっていたパズルを貸して欲しいと言ってきました。「難しいから頑張ってね。」っと声をかけてパズルを渡しました。Bくんは箱からパズルを出すと箱の絵をじっと見つめながらゆっくり裏返ったピースを戻し、少しづつ絵を見ながらはめていきます。合わないピースは横に置き、すごい集中力です。そして一つ一つピースを合わせ、パズルを完成させていきました。出来上がったパズルをしばらく見つめているBくん。その後「出来たよ。」っと見せてくれました。
 パズルで遊ぶ事は想像力を膨らませ構成利用や造形力を養い集中力を高める事が出来ます。出来上がったパズルを見つめる子ども達の目に達成感も感じられます。ピースの多いパズルを何人かで協力して作り上げたり、お友達同士で「これどこ?」っと話し合ったりする姿も見られるようになってきました。
 そんな子ども達の達成感を一緒に喜び成長していく姿を大切に育てていきたいと思います。

斉藤    操

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2015 年 10 月 3 日 土曜日

 9月の制作で和紙染めを行いました。朝の会で、和紙の折り方や絵の具を用いて子どもたちの前で実際に和紙染めを行い、終わった後に「制作したい」と何人か集まってきたので、用意していた半紙の折り方を伝え、白い所に絵の具を付けて開いて完成です。
 子どもたちが次々に来るので、その都度折り方を伝えていったのですが、時には待たせてしまう事もありました。そんな時に制作をしていた子が「何かお手伝いしたい」と言ってくれたので「折り方教えてあげてね」と言うと、制作しようとしていた子どもの隣に座り私が教えていた時のように見本の紙を折ながら、制作の仕方を教えてくれました。その後もお願いしたわけではないのですが、なかなか絵の具を付けられない子の側にそっと行き優しく話しかけ、その子も絵の具を付ける事が出来ました。折り方の他にも、白い服を着ている子がいると「Aちゃんのお洋服白いからエプロン着けた方がいいよ」とBちゃんが服が汚れないようビニールエプロンを着けてくれました。自分が制作を終えた後も、困っている子ややり方が分からない子にどうやったら分かるのかを考えながら自分なりに伝えたり、どのようにしたらスムーズに行う事が出来るのか相手の立場になって考えられる姿に子どもたちの成長を感じました。
 昨今、人間関係が希薄になっている現在では、自分が良ければいい、自分だけが出来れば良いと思える出来事が溢れていますが、保育園という集団の中で嬉しい時や、悲しい時に共に喜んだり、悲しんだりしてくれる友だちの存在は子どもたちにとって心の支えになります。子どもたちは、そのようなやり取りの中で、友だちの喜びや悲しみに気づき、他者を思いやる気持ちを育んでいきます。このような経験を通して、周りの人にも同じように接したり、考えたり出来るようになっていくのですね。
 小さい頃から周りの人を思いやる気持ちを自然に持つ事で、助け合える社会になって欲しいと子どもたちの姿をみて、教えられた出来事でした。

中川智香子