木月保育園のブログ「小さなもみじの物語」

「経験の積み重ね」(フリー編)

2015.08.29

 幼児組で給食配膳をしているとき、その日は、人気メニューだったのか、おかわりをする子どもが多く、列ができていました。おかわりを取っている子どもの後ろから心配そうに、覗き込んでいる子、「一個だよ」「そんな取ったら、なくなる!」と、声に出す子と様々です。食べたいという気持ちを、言葉にあらわすだけでなく、その先どうなるか?もわかっているんです。
 また、「幾つ、取ってもいいの?」「どの位取ってもいいの?」と聞いてくる子もいます。「始めにもらった数〔量〕だよ」に、自信のない子達は、「この位?」と職員や後ろにいる子に聞いています。 不安な時は、聞くと言う事が身についてきたようです。それは、聞けば解決ができると言う経験を積んできたからでしょう。年少児にもそんな姿がみられます。異年齢児での生活には良い見本がいるからなのでしょうね。
 またこんなこともありました。年長児のお当番さんの子が、おかわりを取りに来たとき、(お当番さんのおかわり分は別皿に取っておいてあります。)「もっともっていけば?」と声をかけると、「他のお当番さんの分がなくなるからいいよ」と…今までは、自分の事だけを考えて言葉にしていましたが、どの位取ったらどのくらい残る、と数や量を理解し、まだとりにきていない当番さんがいる、その子たちの気持ちを理解し身についたからこそ、その言葉が出るのでしょう。年長児になれば、誰でも必ず出てくる言葉ではありません。
 それは、たくさんワガママ言って、友だちを困らせたり、友だちから迷惑をかけられたりすることを何度も経験し、その度に考え親や友だち、先生から言葉をもらい、自分の気持ちを話し、自分や他人の気持ちを理解しはじめたからこそ、でる言葉ではないでしょうか?
 先日小学校の先生とお話をしたとき、文字や計算が出来ることも良いが、集団の中で自分や他人の気持ちを理解して人間関係を作れる力が必要だと聞きました。
 これからも、子ども集団の中で、たくさん成功や失敗、などを経験できるように…。子どもたちと、生活していきたいです。

木村広美

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