木月保育園のブログ「小さなもみじの物語」

「友だちの力」(幼児組編)

2014.03.02

 ある日のおやつの時間の出来事です。年少児のAちゃんは、普段から牛乳が苦手な女の子でした。「ふつうですか?ちょっとですか?」の牛乳の量のやりとりでは、毎回「ちょっと」を選び、半分でもさらに減らしていました。「もう!ちょっとだってば!!」と冗談半分怒って言う事もあるくらい、苦手としていました。
 そんなAちゃんが、この日は「ちょっと・・・あ、ふつうにする!!」と、普通の量を選びました。今までなかったことなので、ついついその量で大丈夫か聞き返しました。でも、Aちゃんは悩んでいる様子も、我慢している様子もなく・・・「だって、Bちゃんはふつうでしょ?だから、Aもいっしょでおおきくなるんだ♪それで、いっしょにかいものしたりするの(>ワ<)」と楽しそうに話していました。Bちゃんは、同じ年少児の女の子で、普段からよく遊んでいる仲良しのお友だちです。以前は、Aちゃんが大人しめのBちゃんを遊びに引っ張って楽しんでいくような感じでしたが、最近はBちゃんも気持ちもしっかりしてきて、お互いに遊びを誘い合う関わりになっています。ただ友だちと楽しんで遊ぶだけでなく、大好きな友だちの存在を励みに、苦手な物も克服しようという強い気持ちが芽生える瞬間に出会えました☆
 子どもたちは誰かに強制されたことは、もし克服できたとしても、楽しい思い出と言うよりは、つらい思い出になってしまいます。やはりどこかで無理をしている部分もあります。けれど、このAちゃんの「大好きなBちゃんと大きくなりたい!」という楽しみな気持ちの中で克服できたことは、自信につながっていくでしょう。今まで自分のいる世界に、お友だちがいるつながりでしたが、人間関係が広がり、深まる事で、お友だちと同じ世界で過ごしたい気持ちが芽生えた場面でもあります。
何気ない子ども同士のやりとり。ですが、それが子どもたちにとって、とても大きな力になると感じました!

坂本 摩利

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