園長日記

2013 年 12 月 14 日 土曜日

   近年、我々の世代が次の世代にいろいろなことを伝承しているだろうかと思うことが多くあります。戦後、新しい文化が入ってきて、一見、夢のような、すばらしい世界かのように欧米文化が見えたのでしょうか、その文化に浸り、その文化を取り入れることが、時代の先端を行くかのような時代でした。昔からの文化は、「ダサイ」「おじん、おばんくさい」と言われるから、なるべく昔からのことは言わない風習もあったようです。若い人の考え方についていくようになってきたのです。特に、団塊の世代と言われる世代の人たちは、大学を始め、古い体質を変えよう、壊そうと先頭に立っていたこともあり、残すことよりも、壊すこと、変えることに価値を持っていたのだと思います。もちろん、悪い、古くからの慣習は、変える必要があります。新しい時代を作っていかなければなりません。そして、今、その団塊の世代を親として持つ若い世代が新しい文化を作り出そうとしています。
   このような時に私は「温故知新」という言葉を思い出します。ご存知の通り「ふるきをたずね、あたらしきをしる」と読みます。一般的には「前に学んだことや昔の事柄をもう一度調べたり考えたりして、新たな道理や知識を見い出し自分のものとすること。」と辞書などを調べると出てきます。「古いことを発見しても、新しいことを知ったことなどない」と思う方は大勢いると思います。この「温故知新」はとても有名な言葉ですが、この言葉の本当の意味をご存知でしょうか。この言葉は実は孔子の「論語」の中に説かれている一説の抜粋です。原典である論語には「故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知れば、以て師となるべし。」とあります。「以て師となるべし」とあるように、誰かに何かを教えるように出来なくてはなりませんよということです。つまり、誰かに何かを教えるためには、その何かに付随するいろいろなことに習熟していないとならないのです。そうしないと、誰かに何かを教えることはできません。つまり、「温故知新」の本当の意味とは、「故きをたずねて新しきを知る」ではなくて、「故きを(大切に)温めて新しきを知る」なのです。誰かに何かを教えることができるくらいにしっかりとそのことを研究し、習熟したのならば、新しいことを知ることもできるのです。
   何かを変えること、壊すこと、新しいことをすることは時代により、とても大切なことです。しかし、その前に、過去からの文化をしっかりと検証し、その意味を考えなければいけないのでしょう。
 保育園でも大切なことを子ども達にしっかりと伝えていきたいと思います。