園長日記

2013 年 11 月 29 日 金曜日

    気が付くと今年もあと一か月、遠くの方から「もういくつ寝るとお正月♪」と歌が聞こえて来そうですね。12月を師匠が走ると書いて「師走」(しわす)と言いますが、保育園もまだまだ行事がたくさんあり大忙しです。生活発表会にお餅つき、今年は移動動物園も12月に開催されます。
   その中でお餅つきは、毎年子ども達が楽しみにしている行事の一つです。みんなでお餅をついて、一緒に食べることで、一体感を持って行っています。園では 炊き立ての餅米を食べることから始め、順番に餅つきを体験します。軽々と杵をかつぐ大人からは想像できなかったようで、自分でやってみると予想以上の重さに驚きながら、必死に頑張ってついています。頑張ってついた後は皆で食べます。何度もおかわりにくるほどの大盛況です。前回の日記でも書きましたが、最近これらの伝統行事は小学校や幼稚園、そして、保育園だけでしか、体験できなくなってきています。だからこそ、これらの行事を大切に行いながら、良き風習をこれからも伝承していきたいと思います。今年のお餅つきは新しい種類のお餅も登場します。どうぞお楽しみに。

(おたよりの続き)
 園では、それぞれの行事に目的をきちんと意味づけています。この「餅つき」という行事は、何度も書いているように「地域の文化を継承する。」です。

   私が小さかった頃、年末になると、朝から、地域の人たちがあちらこちらで集まって、餅つきを始めます。正月いっぱいの、また地域の人の分までもちをつくので、次から次へとたくさんついていきます。つきおわると、それを、鏡餅や伸し餅などにしていきます。それを、新聞紙を下に敷いて、おおきな板の間に並べていくのです。餅をついているのを覗き見している私に向かって、大人たちは、「ほら、ついてみな!」といって、杵を渡されます。杵は、重さでつくので、非常に重く、持ち上げるだけで一苦労です。しかも、餅が杵につくと、もっと重くなります。ひいひい言って持ち上げる私を見て、大人たちは、からかいます。「そんなんじゃ、大人になれないぞ。」と。でも、そう言いつつも、つき方のこつを教えてくれます。「こねるだけで、餅はほぼ出来上がる。力でこねるのではなく、体重でこねるのだ。」「手で、ついてはダメだ。腰でつくものだ。」「手返しは、つく横からでないと、頭を打ってしまう。」「手返しは、もちを返すのではなく、リズムを取ってあげることだ。」などなど。今の園児の姿を見るとまったく同じですね。しかし、そんないっぱいの量をついた後は、お腹いっぱいお餅を食べました。きな粉もちにあんころもち、大根もちは少し辛くて、小さいうちは苦手だったように思います。基本的には餅は、冬の間の大切な、保存用の食べ物です。正月の食べ物として使われますが、年を明けてから餅をつくという地域もあるようです。ただ、それらは、地域での伝承なので、本来のものとは、違ってきているのかもしれません。年末の12月29日は二九を音韻からフク(福)と読み、その日に餅をついていた気がします。 

   みんなで集まって、わいわいがやがやと餅をつく姿を見ながら、年末を感じたものです。最近では大きなイベントでもないと見る機会がなくなってしまいましたね。機械で作ったお餅を食べるのが当たり前の現在では、便利になることだけが良いのではない気がします。面倒でも、みんなで餅をつくことが良いのになと考えると少しさびしい気がします(T_T)


文化の継承について12月15日ごろ載せます。

2013 年 11 月 15 日 金曜日

   オリオン座のような、誰でも見つかるような形の星座がきれいに見られる季節になってきました。これらの星座の輝きが秋から冬の夜空を飾っています。それら星座にまつわるギリシャ神話は西洋の物語ですが、織り姫、ひこ星に代表されるように東洋にもあります。もちろん、江戸時代までの星座は、この東洋のものを言っていましたが、明治維新以後、西洋文明が取り入れられ、すっかり西洋のものとなってしまったようです。
 東洋では、太腸が天球上を運行する黄道上にそって一周するその円周を28等分にし、それぞれブロックごとの位置の近くにある星座が割り当てられました。その各々のブロックを星が泊まる宿という意味で、「宿」といい、それに星座名をつけたのです。ですから、全部で二十八宿になります。月はある恒星に対して、27日7時間43分2.5秒で天を一周しますので、天を27、または28で区分するのが便利だと考えたのでしょう。というわけで、月は1日にこの二十八宿の一宿ずつ通過していくと考えられました。
 この二十八宿は中国からインドヘ渡り、インド占星術として発達し、唐時代に中国に戻り、それが空海によって806年に日本へもたらされたと考えられていました。しかし、奈良県明日香村で発掘されたキトラ古墳の天井壁画に星座が描かれていたので、今は、空海以前にすでに日本へ入ってきたと考えられています。
 この二十八宿の中の二十三宿は距星名を「鬼」と言われ、和名「たまおのぼし」でギリシャ神話のかに座θを指します。この鬼宿にあった日にお釈迦様が生まれたと言い伝えられるところから、鬼宿日が「万事に大吉。二十八宿のなかで一番ラッキー宿」ということになったのです。
   昔の人は自然のことをとても大切にして、いつも感謝の気持ちをささげていました。今の生活があることに幸せを感じ、家族が健康に育つことに願の全てをかけていました。この二十八宿という考え方もそのような所から来ているのですかね。現代は健康面も食生活も豊かになり過ぎて、大切なものを忘れてしまっているように感じます。もう一度、昔の人の暮らしを思い出し、今の幸せに感謝の気持ちを持つことが大切ですね。